ウィーメックスは15日、同社が提供するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」が、慶應義塾大学病院の救急外来における観察研究での活用が開始されたと発表した。同研究では、高精細映像とリアルタイム通信機能を備えた「Teladoc HEALTH」を用いた遠隔コンサルテーション体制「Shared Experience」と、緊急・重症である患者の診療方針の決定に要する時間や臨床成績との関連性を検証する。
「Shared Experience」は、患者および進行中の処置に関する情報を、医師が遠隔地から把握し、現場の医療チームと状況・判断を共有する、遠隔でのコンサルテーション体制のことを指す。特に同研究では、患者の病院到着前段階から支援を行った場合の方針決定までの所要時間や予後との関連を検証する。
また同研究では、「Teladoc HEALTH」を救急外来に導入し、慶応大病院の三次救急として搬送される18歳以上の患者を対象に、病院到着前から専門医がリアルタイム・コンサルテーションを行った症例について、方針決定に要する時間や臨床成績との関連を評価する。
さらに、慶応大病院における観察研究として、最大50例を登録し、搬送前からの診療支援に関わる医療の質の指標および診療現場における心理的安全性についても併せて評価していく。
今回の研究では、リアルタイムで可視化された専門的支援により、従来の電話コンサルテーションでは得られにくい情報を共有でき、方針決定の迅速化や初期対応の適正化に寄与することが期待される。さらに、現場の医師と専門医との連携が容易になることで、心理的負担の軽減や診療の一貫性の確保につながると考えられる。
慶応大医学部救急医学の本間康一郎准教授は、「高度で即応性が求められる救急の現場において、『Shared Experience』は未来の標準となりうると考えています。患者さんの命を守る最前線に、技術を生かした新しいチーム医療の形を提案していきたい」と述べている。
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