
江島氏
第101回日本医療機器学会大会が6月4~6の3日間、千葉市の幕張メッセで開かれ、日本医療機器学会の産学連携推進委員会委員長を務める江島豊氏(東北大学病院)が委員会の今後の活動方針について説明した。
同委員会は、医療機器メーカーや医療機器販売など企業に属する会員が半数を占めるという同学会の特徴を生かし、産学連携を通じた医療機器開発や課題解決を推進することを目的に設立。昨年10月から活動を開始した。
江島氏は、医療現場には日常的に多くの課題やニーズが存在する一方で、それらが企業の持つ技術や製品開発力と十分に結び付いていない現状があると指摘。解決策として、企業のシーズと医療現場のニーズを集約したマッチングデータベースの構築を進めると共にプロダクトアウトとマーケットインの双方の視点を融合させることで、新たな製品開発や事業化につなげたい考えを示した。
また、企業会員とアカデミア会員の交流機会の創出にも取り組む方針を示した。学会員や大学、研究機関の研究者、学生らが企業の製造現場を見学し、社員との意見交換を行う場を設けることで、ニーズやシーズの掘り起こしを図る。すでにGEヘルスケア・ジャパンの協力を得て、日野本社工場の見学を予定していることも紹介した。
さらに、産学連携に関する相談窓口を開設し、委員会に所属する産学連携事業の経験者が製品開発や共同研究、マッチングに関する助言を行う体制を整備する方針も説明した。今後は日本医療研究開発機構(AMED)事業との連携も進める予定という。
中期的な目標としては、産学連携を円滑に進めるための専門人材「産学連携カタリスト・アドバイザー」の育成を挙げた。契約の締結や特許、知的財産などの問題だけでなく、製品化の方向性や市場性の検討など、事業化の前段階から支援できる人材を育成する必要性を示した。さらに、研究開発助成制度について、「1年間限定で1件当たり50万円と少し寂しい」とし、さらなる拡充に期待を寄せた。
深柄和彦理事長は、医師や看護師、薬剤師らによる多職種連携の場はあるものの、「産業界と医療界が一体となって新たな取り組みを進める学会は珍しい」と強調。今回設置した委員会を契機に、医療機器開発において「日本がまた不死鳥のごとく、世界でもナンバーワンになるような日が来てほしいと思っている」との期待を示した。
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