ニコンの子会社、ニコン・セル・イノベーション(NCLi)は12日、同社が治験用のiPS細胞由来心筋細胞・心筋球の製造を受託しているHeartseedが、虚血性心疾患または拡張型心筋症による重症心不全を対象とする他家iPS細胞由来心筋球のカテーテルによる投与(開発番号:HS-005)の国内第I/II相治験(EMERALD試験)で、最初の患者への投与が成功したと発表した。同試験における他家iPS細胞由来心筋球も、HS-001に引き続きNCLiが受託製造している。
Heartseedが心筋補填療法で活用する細胞は、他家iPS細胞から心室筋を高純度で作製し、生着率を高めるために心筋球と呼ぶ微小組織にしたもの。単一細胞と比較して、心筋球にすることで細胞の生着率や生存率が向上することが非臨床試験で確認されている。
心筋球を心臓の心筋層内へ投与する際に、HS-001ではHeartseedが開発した専用の投与針(SEEDPLANTER)とガイドアダプターを用いて心臓の外側から投与するが、HS-005ではカテーテルを活用して心臓の内側から投与する。
投与した心筋球は、患者の心筋と結合して再筋肉化することで心収縮力を改善し、また種々の血管新生因子を分泌して投与部位周辺に新たな血管を形成する(neovascularization)という作用機序が期待されている。
Heartseedは、心筋再生医療の実現化を目指して設立されたバイオベンチャーで、2024年7月に東京証券取引所グロース市場に上場している。iPS細胞から高純度の心室型心筋細胞を作製する技術、投与技術やiPS細胞の作製方法など、心筋再生医療の普及に必要な多数の独自技術を有している。
これまでに「Japan Venture Awards 2021」(科学技術政策担当大臣賞)、「大学発ベンチャー表彰2021」(文部科学大臣賞)、Asia-Pacific Cell & Gene Therapy Excellence Awards(Most Promising Pipelines Award)、特許庁「IP BASE AWARD」(スタートアップ部門グランプリ)、「第7回日本医療研究開発大賞スタートアップ賞」(25年1月)や「知財功労賞経済産業大臣表彰」(25年4月)など、国内外で数々の賞を受賞している。
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