【京都府立大/島津製作所】分析計測機器のリファービッシュ事業実証へ‐サーキュラーエコノミーの実装加速

2026年06月17日 (水)
京都府立大に設置された高速液体クロマトグラフ

京都府立大に設置された高速液体クロマトグラフ

 京都府立大学と島津製作所は16日、「持続可能な社会の実現」と「研究環境の強化」を両立する取り組みとして、分析計測機器のリファービッシュ(製造元による修理・整備を経た再生品)事業の実証試験を開始したと発表した。使用歴のある高速液体クロマトグラフ(LC)を島津製作所で修理・整備し、リファービッシュ品として京都府立大森林資源循環学研究室(宮藤久士教授)へ貸与し、大学で取得データの有効性、装置の耐久性、使用感および使用状況(使用回数・使用時間)などを評価・収集する。島津製作所は得られたフィードバックをもとに、ユーザーが求める性能やリファービッシュ品の実用性や循環型ビジネスモデルを検証する。

 京都府立大学は、実証試験を通じて、リファービッシュ機器の導入による研究環境の強化、研究コストの低減、学生への教育効果等を確認すると共に、昨年設置した「京都府立大学ゼロカーボンキャンパス推進センター」の具体的アクションの一つとして、リファービッシュ機器導入による温室効果ガス排出削減効果を検証していく。

 島津製作所は今年4月に新中期経営計画を開始し、「脱炭素社会の実現」「サーキュラーエコノミーの実装」「ネイチャーポジティブの実現」を軸に、環境への配慮と企業価値向上を目指している。リファービッシュ事業の実証を皮切りに、製品の長寿命化やサステナブル素材の製品採用など、循環型経済に貢献していく。

 両者の連携の取り組みとしては、京都府の森林を府民・企業・行政が守り育てる「京都モデルフォレスト運動」において、南丹市の「島津製作所の森」で、植生調査、航空レーザ測量やドローンで撮影した動画などを用いた森林整備計画の策定、森林の新たな管理手法の開発を進めている。

 また、京都府立大森林資源循環学研究室は、木材由来セルロースから5?HMF(5?ヒドロキシメチルフルフラール)を高効率に生成・回収する反応・分離技術を確立し、5-HMFからのPEF(ポリエチレンフラノエート)の合成も展望している。

 PEFはPET(ポリエチレンテレフタレート)やペットボトル用途を想定した代替材料として位置づけられ、木や植物を石油の代わりに使い、化学品や材料へ無駄なく作り替えて循環利用できるため、サーキュラーエコノミーの実現に貢献する素材として期待されている。

 京都府立大は木質バイオマスを対象に、島津製作所から貸与されるリファービッシュ機器を研究・教育に利用し、化石資源代替となるバイオ燃料・有用化学品の創出を目指した化学変換技術の研究を進めていく。


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