【富士フイルム/堀場製作所】「インラインラマン高感度計測システム」を共同開発‐バイオ医薬品製造の培養・精製工程を可視化

2026年06月17日 (水)

 富士フイルムと堀場製作所はこのほど、バイオ医薬品製造の培養・精製工程におけるタンクや装置内の成分濃度を連続的にリアルタイムで可視化する「インラインラマン高感度計測システム」を共同開発した。同計測システムを使用して抗体医薬品製造の精製工程を管理した場合、従来の紫外可視吸光光度法による管理と比較して抗体の収率が約10%向上することを確認している。

 今回、両社が開発したシステムは、高感度ラマン分光装置と高集光効率シングルユースプローブ、独自の計測アルゴリズムを組み合わせたもの。

 富士フイルムが写真・光学デバイス事業で培ってきた光学設計技術およびバイオCDMO事業におけるバイオ医薬品製造の知見と、堀場製作所が持つ高い感度・精度・安定性を誇るラマン分光の技術を融合し、業界最高感度を実現した「インラインラマン高感度計測システム」を開発した。

 これにより、培養液・精製液中の成分の変化を高精度かつリアルタイムに可視化することが可能となる。

 今後、両社は早期の実用化に向け、同計測システムの実装検証を進めていく。さらに、製造プロセスの可視化と高度なデータ分析技術の確立を通じて、抗体医薬品をはじめとする高品質なバイオ医薬品の安定製造および製造コスト低減に貢献していくことを目指す。

 なお、富士フイルムは22~25日に、米国サンディエゴで開催される「BIO International Convention」に同計測システムを展示する。

 バイオ医薬品の製造過程では、培養液・精製液中の酸素濃度など、わずかな条件変動が製品の品質や収率に大きく影響することから、培養・精製工程において、各種成分の識別・分析が行われている。

 しかし、現在の各工程で製造途中の培養液や精製液などをサンプリングするオフライン分析では、培養液・精製液中の成分の変化をリアルタイムに分析することが困難だった。

 こうした背景から、培養・精製工程のタンクや装置内の状態をリアルタイムに分析し、その状態の変化を高精度にとらえる高感度計測技術へのニーズが高まっている。


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