東京薬科大学とトランスコスモスは9月11日、トランスコスモスが提供するAI対話トレーニングツール「trans-AI Tutor」を薬学生・薬剤師向けに最適化し、薬学教育に効果的・実践的に活用する共同取り組みを開始したと発表した。両者の知見を掛け合わせることで、実務実習前の臨床学習支援を起点に、高度で複雑な臨床症例やインシデントへの対応、継続的な情報取得・提供支援までを視野に入れ、薬学生・薬剤師が実践的な学びを効果的に深められる学修環境の構築と医療現場におけるノウハウの標準化を目指していく。現在、11月のリリースに向け、東薬大4年次生を対象としたパイロット運用の準備を本格化させていく。
今回の取り組みは、薬剤師教育と医療現場をAIでつなぐ統合学修基盤の実装を目指すもの。2040年に向け、薬剤師には対人業務への一層のシフトが求められる一方、学生には実務実習前の実践的な臨床能力の養成、現場の薬剤師には複雑な症例やインシデントへの対応、法令改正等への継続的な対応が求められている。
こうした中、東薬大の教育知見と、トランスコスモスがコンタクトセンター運営で培ってきた顧客応対の品質管理・フィードバック設計の知見を掛け合わせることで、教員、学生同士のロールプレイだけでは十分に提供しきれなかった学修機会を拡張し、医療現場でのノウハウの標準化を図っていく。
具体的には、患者ペルソナを年齢・性格・病歴まで柔軟に設定できるロールプレイを通じて、情報収集や情報提供など、実務実習前に必要な基礎的な臨床対応を繰り返し学修できる環境を整備していく。
加えて、より高度で複雑な臨床症例への対応やインシデントへの対応も学べる機能、学修状況の可視化と即時フィードバック機能、将来的な法令改正等の情報取得支援機能の実装検証も進める。
これにより、学生は時間や人手の制限からの影響が減り学生個々に応じた練習量を確保でき、教員は基礎反復の支援にとどまらない個別指導や教材設計など、より教育効果の高い指導に注力しやすくなる。中長期的には、基礎学修から卒後の継続学習までを一貫して支える基盤としての展開を視野に入れている。
両者は、教育現場での実装と検証を通じ、薬学教育をより効果的かつ実践的なものとすると共に、日々変化する医療環境に対応できる次世代薬剤師の育成に取り組んでいく。
東薬大学長の三巻祥浩氏は、「実務実習や就職後に直面する複雑・困難事例への対応から、最新の法令情報等の継続的な修得までを一つの基盤で支えていく今回の取り組みは、薬学教育における学修機会の拡張という点で大きな意義があります。実務家教員監修のシナリオと、AIによる反復練習・自動評価の仕組みを通じて、これまでの事前実習を効果的に実践し、臨床実践に即した学びを教育現場で具体化していきたい」とコメントしている。
トランスコスモス上席執行役員の高山智司氏は、「今回の取り組みでは、東薬大の教育知見と、当社がコンタクトセンター運営で培ってきた接遇・応対品質管理の知見を掛け合わせることで、薬学教育の現場に即した学習支援のあり方を具体化していきます。人手だけでは十分にカバーしきれない学習機会やノウハウを、教育現場で活用可能なかたちに落とし込み、薬学教育の高度化に貢献していきます」と述べている。
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