厚生労働省医薬食品局は13日、薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会に、2008年度における安全対策の実績を報告した。それによると、昨年1年間に厚労省が製造販売業者や医薬関係者から受け付けた安全性に関する報告は、医薬品が3万8069件、医療機器が7583件たっだ。医薬品関連の報告は前年とほぼ同水準だったが、医療機器については、不具合報告が1万件程度減ったため、大幅な減少となった。
報告件数の内訳をみると、医薬品は、業者による報告が3万4253件(副作用3万1455件、研究855件、外国措置869件、感染症1074件)、医薬関係者からの副作用報告が3816件。医療機器は、業者による報告が7173件(不具合6351件、研究10件、外国措置748件、感染症64件)、医薬関係者からの副作用報告が410件となっている。
医療機器の不具合報告が減ったのは、インスリンやホルモン製剤投与に用いる注入針のBDマイクロファインプラスが、前年の9710件から261件になったことが大きい。同機器は、潤滑剤や接着剤の針詰まりの不具合で、06年11月に回収措置を実施し、製造工程の切り替えを行っている。
このほか、インスリンペン型注入器のオプチクリックも、2295件から1392件に減った。同機器は、ディスプレイの異常で07年2月に回収措置を実施、改良型を導入した。
一方、厚労省が08年度に行った安全対策上の措置は、医薬品が安全性情報への掲載12件、使用上の注意改訂144件の合計156件、医療機器が安全性情報への掲載1件、使用上の注意改訂4件の合計5件だった。承認取り消し、効能・効果や用法・用量の制限、ドクターレターの配布指示などは、医薬品、医療機器とも前年に引き続きなかった。