エーザイは、アジア統括会社の支店として、中東のバーレーンに地域事務所を開設した。当面は自社販売を行わず、現地販売代理店との連携で末梢性神経障害治療剤「メチコバール」を投入していく方針だ。バーレーン地域事務所の設立を契機に、中東・北アフリカ地域に本格進出する。
これまでエーザイは、ヨルダンに地域事務所を開設し、医薬品マーケティング登録を行っていたが、2009年4月には、中東最大市場のサウジアラビア、7月にはアラブ首長国連邦(UAE)で「メチコバール」の販売を相次いで開始した。今回、バーレーンに地域事務所を開設することで、中東・北アフリカ地域の事業展開を本格化させる。
当面は、自社販売を行わず、現地販売代理店と連携し、サウジアラビア・UAE・バーレーン等の湾岸諸国とエジプトで「メチコバール」を販売していく。さらに今後、一部の国では、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の承認も目指す予定。
中東・北アフリカ主要9カ国の08年度の市場規模は約7500億円。成長率は14%と二桁の伸びを示している。また、生活習慣病が増加し、特に中東・北アフリカ地域の糖尿病罹患率は世界一となっていることから、高い市場性が見込まれている。