在宅医療における薬剤師の役割は、従前から医薬品の適正使用と安全確保による服薬支援として実施されてきたが、内服薬に関する業務が主流であった。しかし、現在では在宅栄養療法や、褥瘡治療、医療用麻薬等を用いた緩和ケア、さらには腹膜透析療法等が在宅医療の現場で行われることが増えており、使用される薬剤も多様化している。
本書は、薬局から一歩踏み出して、在宅医療に取り組む薬剤師のためのガイドブックである。在宅で行われる療法の基本的な知識や使用器具等について、疾患別にそれぞれの専門の医師、薬剤師、看護師が解説している。そして、これらの療法がどのような状況で行われているのかを在宅医療現場で働く医師が経験をもとにした症例日記として、実際に何が起こっているのか、そのときの患者・家族・医療者がどのような想いで治療に専念しているのかを物語風に書いている。
目次
I.総論
1.薬剤師の在宅医療への関与
2.在宅高齢者・障害者の代表的な症状と関わる医師の視点
II.在宅医療の現場に学ぶ症例の実際
症例1.高齢者の終末期
症例2.癌
症例3.障害
症例4.認知症
症例5.高齢者の服薬管理
III.在宅医療の主な症例に必要な医療材料
1.気管切開(人工呼吸療法)
2.在宅成分栄養経管栄養療法
3.在宅末梢静脈注射
4.在宅中心静脈栄養療法
5.褥瘡のケア
6.吸引
7.在宅酸素療法
8.ストーマ(人工肛門・人工膀胱)
9.膀胱留置カテーテル・膀胱洗浄
10.インスリン療法
11.ネブライザー(吸入器)
CAPD療法(連続的携行式腹膜透析)
日本薬剤師会 編集(’09.10)
●A5判 160頁
定価2,860円(消費税込み)
ISBN:978-4-8408-1105-7 C3047
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