政権交代から初の衆議院厚生労働委員会(藤村修委員長・民主)が11日に開かれた。長妻厚生労働相は所信の中で、「国民に心から評価され、信頼される厚労行政を目指す」と決意を語った。後期高齢者医療をめぐっては、衆院任期1期4年の中で新制度へ移行させると共に、先行して75歳以上という年齢に着目した診療報酬を見直す考えを示した。さらに、革新的な医薬品・医療機器の創出に取り組む意向を示した。
委員会開催に当たり藤村委員長は、「国民生活に密着した課題を抱えている。特に年金、医療、介護制度については国民の不安を解消し、信頼を回復することが喫緊の課題。その上で、国民が将来に希望を持てる持続可能な社会保障制度を構築していかなければならない」と強調した。
続いて長妻氏が、「与野党関係なく真摯に意見をうけたまわって、行政に反映させたい。何より、国民のご理解を得る努力も続けていきたい」と述べ、大臣として所信を表明した。
まず、国民から信頼される厚労行政を目指すために、「政治主導が重要」とし、「政務3役のチームが、志高く、改革意欲に富んだ職員と力を合わせ、難題に取り組む」との基本認識を示した。個別課題については、来年度予算概算要求、新型インフルエンザ対策を挙げ、次に少子化対応、社会保障制度、雇用対策、国民の安全・安心確保の順で、それぞれ見解を説明した。
社会保障制度については、質の高い医療サービスを安定的に提供できる体制の整備・強化、後期高齢者医療制度の廃止や75歳以上に限定した診療報酬の見直し、医療保険者の財政基盤強化などを課題に挙げた。さらに、次期診療報酬改定で、地域医療を守る医療機関等に対する評価の充実を図ることとした。
また、国民の安全・安心確保では、医薬品開発に言及し、「関係省庁との連携の下、研究開発の促進、治験活性化などに総合的に取り組む」と述べた。