日興シティグループ証券の証券アナリスト・山口秀丸氏は16日に都内で講演し、5月に解禁される三角合併の影響について、「アジア企業の時価総額が大きくなっており、日本企業を買収することも可能」と、アジア製薬企業の動向に注視するよう促した。欧米企業も含めた買収リスクの高い部門としては、ジェネリックや医療機器を挙げた。日本公定書協会の「第4回薬事エキスパート研修会」で話したもの。
医薬品業界における三角合併について山口氏は、大手は合併が済んでいることから、武田薬品など日本の大手企業が「すぐに買われたりすることはない」とした上で、株価が上昇して時価総額が大きくなり、日本市場に販路を構えたいアジア企業が要注意だとした。
欧米を含め日本企業を狙うケースとしては、製品の拡充(ジェネリック)、販売網のほか、バイオや抗体、経皮吸収といった特定の技術を持っている企業が焦点になると指摘した。
買収の対象になる可能性が高い分野の一つとした医療機器は、テルモやオリンパスといった国内の代表的企業と海外大手の時価総額を比べると、5倍を超える開きがあり、医薬品産業以上に格差が大きいことを理由に挙げた。