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【沢井製薬】キョーリンに経営統合提案‐新薬とジェネリック医薬品事業併せ持つハイブリッド型製薬企業へ

2010年12月3日 (金)

会見する澤井社長

会見する澤井社長

 ジェネリック医薬品(GE薬)大手の沢井製薬は2日、キョーリン製薬ホールディングス(以下キョーリン)に対し、キョーリンを存続会社とする提携方式も含め、経営統合の提案をすることを取締役会で決議し、キョーリンに提案書を手渡した。提案は、来年2月末までにキョーリンとの間で統合の合意が得られることが前提で、同日までに回答がないか、合意が得られない場合は、失効するとしている。これに対しキョーリン側は、「提案の目的や具体的内容を真摯に検討し、対応について決定次第速やかに公表する予定」とのコメントを発表した。

 2日に都内で会見した澤井光郎社長は、「急速に拡大する国内GE薬市場で、プレゼンスを高めるハイブリッド企業実現へのアライアンスとして、キョーリンとの提携を考えた」と、改めて経営統合提案の意図を強調。「最終的な統合形態として、持株会社を念頭に置くが、両社の株主価値向上の観点から、キョーリンを存続会社とする提携方式を含め、あらゆる提携形態を両社間で検討すべき」との考えを示した。

 沢井製薬は、これまでにキョーリン株式の4・8%を取得し、資本提携を通じた戦略的経営統合を打診していた。しかし、キョーリン側から、経営統合に向けた前向きな回答は得られていなかった。今回、さらに提案内容について機関決定を行った上で、統合提案自体を公開することで、「沢井、キョーリン両社の株主、全てのステークホルダーに対し、経営統合の考え方について理解を得ることが重要」とし、議論の透明化を図った。

 また、持ち株会社方式の経営統合が成立した場合も、傘下となるキョーリンと沢井製薬の上場も維持していく方針で、「歴史と由緒のある“杏林”の名称は、統合後も継続使用をお願いしたいと思う」とし、これまでより一歩踏み込んだ提案であることも明かした。

 経営統合提案では、キョーリンの持つスペシャリティ領域の新薬事業と、沢井製薬のクオリティ・GE薬事業を融合することで、革新的なビジネスモデルとなる「ハイブリッド型製薬企業」を、スピード感をもって構築し、医科系事業に専念する永続的な医薬品企業を確立するとしている。澤井氏は「呼吸器、泌尿器、耳鼻科領域などのスペシャリティーファーマ領域で、新薬もGE薬も併せ持つワンストップのメーカーになりたい」とし、「キョーリンは早い時期からGE薬事業に取り組まれ、その厳しさも理解されている。われわれと手を結ぶのが一番理想的」とした。

 澤井氏は、2011年度以降の大型品特許切れによって、今後5年間で1兆5000億円の市場がGE薬に切り替わるため、12~14年の3年間でGE薬市場は急成長すると予測。「その中で、断トツのシェアを獲得する方策の一つが、ハイブリッド型製薬企業のビジネスモデル」だとした。その上で、「キョーリンは、安定した新薬事業とGE薬事業の高成長を融合させた、新たな成長スパイラルを組み立ており、ハイブリッドビジネスモデルを構築するための最善のパートナー」と評価。「われわれはこのビジネスモデルが最善、最高だと確信している、その意味では、いい返事が貰えると期待している」と繰り返し述べた。

 沢井製薬では、キョーリンの株式価値を1400~1600円とし、統合すれば1600~2000円の価値評価があると算定。経営統合が実現した場合、統合新会社の14年3月期グループ売上高は約2320億円、営業利益は約410億円になると試算。シナジー効果として、同期売上高で約250億円増、営業利益で約70億円増を達成できると見ている。

 また、キョーリンの創業家株主が、株式売却に難色を示しているとされることに対し、「現在、キョーリン経営陣との協議を進めているが、今後は創業家にも理解をいただけるように頑張りたい」と語った。市場からのキョーリン株式の取得については、「友好的な話を進めることが先。現時点では考えていない」との認識を示した。

 会見に同席した澤井弘行会長は、「国内大手メーカーのうち3社が、またグローバル企業の多くもGE薬事業を手がけている。一方、グローバルなGE薬大手は新薬部門を持っている。今後、こうしたハイブリッドな形が、医薬品メーカーとして存続していく条件だと思う。ぜひ成功させたい」と語った。




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