健康保険組合連合会が、今年4月1日時点における後発品使用促進の状況を調べたアンケートで、健保組合の59・4%が、後発品に切り替えた場合の、医療費差額通知サービスを実施していることが分かった。前回2年前の17・8%から3倍以上に伸びていた。
回答したのは、全国1147組合の80・4%に当たる1164組合。このうち差額通知を実施していたのは654組合で、組合数ベースだと前回163組合の4倍に達した。
医療費削減効果は、500万円未満が61・7%と多かったが、1000~5000万円が19・6%、5000万円以上が6・2%と大幅削減に成功した組合も一定数あり、平均は約1395万円だった。
通知対象者の選定は、自己負担軽減額が一定以上見込めることを基準にすることが多く、このほか、約半数が、生活習慣病などの対象疾病名を決めていた。一定年齢以上に絞っている組合も3割程度あった。
通知回数は、年1回が44・0%、年2回が24・6%、年3~5回が16・0%、年12回以上が12・0%となっている。
通知件数は、大規模組合ほど多い。被保険者数5万人以上の組合では年間平均2万2011件に上り、1万~5万人未満で3885件、5000~1万人未満で1655件、3000~5000人未満で709件、3000人未満で492件だった。
一方、現段階で差額通知を実施していない組合に、今後の意向を質問したところ、「実施したいと思わない」が6割と過半を占めた。理由には、母体企業の事情以外に、経費に見合った効果が見込めないことや、後発品の効果や安全性が十分に証明されていないことが挙がった。
このほか、後発品普及が進まない要因として、80・3%が「医療機関の対応不足」、72・0%が「後発品への不安」、59・8%が「薬局の対応不足」と回答し、前回調査と概ね同じ傾向が見られた。▽国民に対する普及啓発の不足▽医療保険制度上の対応不足▽メーカーの対応不足--を指摘する意見は減った。