一部の私立大学が、新4年制の学生が「4+2+1」のトータル7年間で薬剤師国家試験の受験資格を取得できる課程を設置している問題で、「新薬剤師養成問題懇談会」(新6者懇)を構成する関係10団体は8月30日、「早急な是正」を求める声明文を、全国の大学や関連団体などに送付した。
声明文では、「このような課程は、参加型実務実習開始までの教育の質保証が担保できないこと、早期卒業が不可となっている6年制薬学教育の理念に反し、修士課程を除く薬学6年制教育専修期間5年間で国試受験資格の取得を可能とすることから、薬学6年制教育への疑念をも招きかねず重大な懸念を覚える」とし、“4+2+1”課程を設置している大学に、早急な是正を求めている。
声明に至った経緯と概要では、4年制薬科学科の卒業生について、「卒業研究は修了しているものの、実務実習に参加するだけの知識、技能、態度の教育は実施されていない」ことを挙げた上で、修士課程(博士前期課程を含む)修了後の1年間で、実務実習事前学習等を含めて専修する必要性を強調している。
このスケジュールだと、その後の1年間で実習などを行うことになり、“4+2+1+1”のトータル8年間が必要になる。
また、“4+2+1”課程の場合、2年間の修士課程年数を除くと、実質5年間で6年制薬剤師の受験資格が得られる上、国試に合格すれば薬剤師免許と修士認定を同時に取得できてしまう点については、「6年制教育プログラムの根幹を揺るがす大問題」との認識を示し、是正を求めた。