神奈川県内に96事業所を有する社会福祉法人県央福祉会が、設立30周年を迎えた2013年を一つの節目の年として、現理事長である佐瀬氏がこれまでの活動を振り返るとともに、これからの日本福祉の未来を提言。さらに、実際の福祉現場の声、人材育成の実態と問題点などを取り上げ福祉の現実を伝えています。
第1章 何を考え、何をめざしてきたのか。
私は、大学を卒業すると同時に福祉の世界に飛び込んだ。それから38年、福祉の最前線で働き、日本の福祉のあり方を考えてきた。また、2013年は社会福祉法人県央福祉会が設立30周年を迎えた節目の年。これまでを振り返り、この先の法人と日本の未来を考える上で、ふさわしい年を迎えることになった。
本章では、私の生い立ちを含め、私のこれまでの歩みを記録するとともに、その時々で私が何をし、何をめざしてきたのかををまとめてみた。
第2章 県央福祉会の事業と働く現場
県央福祉会は、神奈川県下に96事業所を持つ社会福祉法人である。利用者さんのニーズに対応して事業を展開してきた結果、児童福祉から障がい者福祉にいたる多様な事業分野を抱える社会福祉法人として発展している。
本章では、県央福祉会の事業内容を概説するとともに、各事業部のリーダーに現場目線で県央福祉会がめざす福祉のあり方を聞いた。
第3章 福祉を支えるのは人。誇りを持って働ける場を
社会福祉の現場を支えているのは“人”。利用者さんやご家族に寄り添いながら仕事に励んできた職場の頑張りが、今日の社会福祉の水準を維持してきた。しかし一方で、福祉で働く人の処遇は低く、社会的ステータスも高いとはいえない状況がある。
本章では、福祉の現場で働く職員が誇りを持って働ける環境を作るために必要なことを整理するとともに、人材育成に力を注いでいる当法人の施設を紹介。あわせて、福祉現場で働く人材が一堂に会し、福祉への思い、そして未来について語り合った。
第4章 “共生社会・ニッポン”への提言
日本の社会福祉を取り巻く環境は厳しい状況に置かれている。最近は、共生社会をめざして進展してきた戦後の福祉政策が逆行するかのような現象も指摘できる。
本章では、現在の日本の社会福祉に関する私の考えを示すとともに、社会福祉の専門家として活躍されてきた濱野一郎先生をお招きし、日本の社会福祉の現状と今後の課題について語り合った。また、章末には、私が書き貯めていたエッセイを掲載、私の社会福祉に関する考えを補足する資料としたい。
【著者】社会福祉法人県央福祉会 理事長 佐瀬 睦夫(’13.12)
【判型・頁】A5判・239頁
【定価】1,650円(消費税込み)
ISBN:978-4-8408-1256-6 C3036
※ 送料:国内1カ所送付につき、重量5kg以下 660円、重量5kg超 990円