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一つの役割を果たした小売商組

2014年6月16日 (月)

 医薬品小売業者の事業の改善・発展を図ることを目的として、中小薬局・薬店で構成する全国医薬品小売商業組合連合会(医薬全商連)が、7日に大阪で開いた通常総会で、今年7月末をもって連合会を解散することを決議した。

 会員数の減少および賛助会員の退会による収入減もあって、昨年度は欠損金を計上。事業らしい事業も行えない状況であった。また、全国に所在する各都道府県の医薬品小売商業組合(単組)のうち、連合会の会員は3月末で14に過ぎず、全国組織としては3分の1をも下回っている現状で、さらに総会時点では12に減少し、会員減から解散を決議して退会を希望する単組も複数あった。

 総会では「今後も会員数および賛助会員数の増加の見込みはなく、連合会の運営を継続することは困難」として解散の議案を提案し、採決により議決に至った(賛成8、反対2)

 中小小売業を取り巻く近年の状況から「やむなし」の感はなくはないが、これまでの活動を振り返ると、時代の変化を強く感じざるを得ない。医薬全商連が設立された1961(昭和36)年当時は、各地での薬の安売り合戦が社会問題化し、量販店が全国に販売網を広げていく時期でもあった。

 その後は、流通の是正と価格の適正化を基本理念として、乱廉売問題、再販売価格維持契約制度問題、近くは医薬品販売規制緩和問題など幾多の問題に対し、積極的に取り組むと共に、ヘルスギフト券発行事業など独創的な事業の推進に努め、組合員の経営の安定および合理化を図っていく。

 また、大衆薬(OTC)市場の活性化に向け、製配販の3者が一体となって全国的な「大衆薬キャンペーン」の展開を続けたほか、妊娠診断薬の販売規制緩和を当局に幾度も要請したことは、やがて新たなOTC市場開拓にもつながった。88年には、薬局・薬店が地域住民との“対話”を基本とする基本方針(ヘルス・ステーション)を打ち出し、その後は薬局・薬店を健康情報発信基地と位置づける「ヘルス・ナビ・ステーション」構想へと発展させ、実践を目指した。

 87年に、当時の近藤良男会長は全国理事長会の席で、「激動変化の中にあって薬局・薬店がどう生きていくのか。とりわけ数年来の薬局・薬店の地盤沈下を、これ以上許すことはできない。(途中略)地域のヘルス・ステーションとしての薬局・薬店づくりが非常に大事になってくる。自分の健康をどのように管理するのか、血圧計、体温計、体重計、尿糖・尿蛋白の検査、妊娠検査薬などに関心が高まっている。これに対して、それを指導できる薬局・薬店にならなければならないと考える」と述べている。

 大資本に対して、どう薬局・薬店としての差別化を図るか。いつの時代でも医薬品は「対面販売」が原則。薬業人は医薬品の尊厳を守らなければならない──なども強く訴えた近藤氏。医薬全商連の目指したものは、ぜひ受け継いでいく必要があるだろう。




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