6月13日~15日に開催された第59回日本透析医学会学術集会で我国の慢性透析患者数が314,180人(対前年4,173人増)との報告がありました。厚生労働省が発表した平成24年度の国民医療費は38兆4千億円、そこに占める透析医療費は4.6%にも達しています。全国健康保険協会が平成22年に発表した「人工透析に関する分析」によると透析患者の医療費は平均月額48万円です。単純計算では透析医療に要する費用は1兆8000億円にものぼります。慢性腎不全の治療の手段として腎臓移植がありますが、平成25年に我国で行われた移植件数は心臓、肝臓、腎臓など合わせてもたった281件、腎臓移植では130件しか行われていません。
特定非営利活動法人「移植への理解を求める会」は、透析医療費は年間500~600万円それに対し、移植医療費は初年度こそ350~400万円ですが次年度以降は年間120~180万で済み、患者のQOLの向上に大きく寄与すると修復腎移植(レストア腎移植)の普及を呼びかけています。移植医療で使われる免疫抑制剤でノバルティスのネオーラルとアステラスのプログラフは移植の歴史を変えた薬剤とされ、カルシニューリン阻害薬プログラフは1984年藤沢薬品工業(現アステラス製薬)によって筑波山の土壌細菌から分離され1993年に肝移植時の拒絶反応抑制剤として認可され、その後適応拡大で昨年の売上高1800億円のブロックバスターとなっています。
今回の研究会では糖尿病患者が増加し、長期透析患者増加の中で透析患者の腎臓移植適応条件、ハイリスク患者への腎臓移植の実際などを膵・腎同時移植で多くの症例をご経験の西郷健一先生に講演して頂きます。皆様の参加をお待ちしています。
日時
平成26年7月17日(木) 15:00~17:00
会場
NKカンファレンス
(東京都千代田区神田司町12-13 神田第4亜メックスビル9F)
演題
「透析医療費1兆8000億円!腎代替医療としての腎臓移植の実際」
講師
西郷 健一氏(国立病院機構:千葉東病院 外科)
参加費
会員(無料)、非会員(3,000円)、学生(無料)
申込み
参加希望の方はE-mailにて7月14日(月)までにお申込みください。
(n_mizuno@ivory.plala.or.jp)
*会員の代理参加ができますのでご利用ください。
*当日連絡先:水野(090-1813-7067)、松田(090-8444-4275)
*新規会員(年間11回開催)募集中です!
主催
医療・医薬品情報研究会
次回のご案内
8月はお休みです!
9月18日(木)15:00~17:00
「医薬品の販売制度見直し(薬事法)について(仮題)」
尾崎 守正氏(厚生労働省医薬食品局薬事企画官)