◆岡山大学病院消化器内科の三宅康広助教のグループが、ヒト血液中から癌細胞の増殖を抑制する抗RPL29(リボソーム蛋白L29)抗体を発見した。同抗体は「生体内の腫瘍免疫システムが、いかにして癌細胞を排除しているか」の研究視点のもとに発見された
◆培養癌細胞を用いた研究により、ヒト血液中に存在する抗RPL29抗体に、膵癌や肺癌、肝癌、大腸癌、前立腺癌の細胞増殖抑制効果が明らかになった。加えて、膵癌患者105例の検討結果では、血液中に抗RPL29抗体を多く有している患者では、同じ病状で同じ治療を受けたケースでも明らかに生存期間が長いことが判明している
◆抗RPL29抗体の臨床への応用については、血液中の同抗体測定により、生体内で機能している腫瘍免疫システムの状態を評価することで、個々の癌患者に適合した治療方針の決定が可能になる。また、同抗体に癌細胞のアポトーシス誘導効果があるため、副作用の少ない新規抗癌剤の開発も期待できるという。抗RPL29の今後の研究動向に注目したい。
癌細胞の増殖を抑制する抗体発見
2014年11月07日 (金)
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