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薬剤師職能のエビデンス集積を

2015年1月16日 (金)

 今年もあっという間に1月も後半に差しかかっているが、新年を迎えるに当たり、現状を打破し、いかに理想的な未来の姿を構築すべきか、2025年までの薬剤師のロードマップは、どう描くべきか考えてはみたものの、問題山積で正直、頭の中は空回りしていた。

 そんな折、日本ジェネリック医薬品学会代表理事、日本医療マネジメント学会副理事長等のほか、参議院厚生労働委員会調査室客員調査員など政府委員等も務め、かつ今も臨床に出ているという、マルチな武藤正樹氏(国際医療福祉大学大学院教授・医療経営管理学分野責任者)の講演を聴いた。

 薬剤師に対し理解が深く、また期待も持っている数少ない医師の一人。薬剤師会の学術大会等で講演を拝聴した方も少なくないと思うが、先の講演では、エビデンスの重要性を改めて強調した。

 その事例の一つとして、12年度診療報酬改定で病棟薬剤業務実施加算が新設されるに際し、「薬剤師の病棟勤務時間が長いほど薬剤に関連するインシデント発生数が少ない」という、エビデンスが大きく貢献したことを改めて紹介した。

 そのほかにも10年をエポックの年とし、薬剤師の職能、あるいは専門性を背景にしたチーム医療の点数評価事例を示し、その実力を客観的に示すことの重要性も示した。

 ICT活動、糖尿病透析予防、精神科リエゾンチームなど薬剤師がかかわることによるメリットを“実感”を込めて語っていたのが印象的だった。そのことは、いくつかのエビデンスからも証明されていることも示した。

 ここで海外での薬剤師の実力を示すエビデンスが紹介された。特に病棟薬剤師の存在、介入により、在院日数や1入院当たりの薬剤費、総医療費の節減がされたという、経済効果に関する成果が示された。

 ただ、よくよくクレジットを見ると1993年、1989年、1997年……。既に日本に先立つこと20~25年も前に行われたスタディだった。改めて薬剤師による臨床研究の遅れを実感させられた。

 さらに、改めて薬剤使用評価(MUE)のポイントを示した。最適な薬物療法を推進する、薬剤に関連した問題を防ぐ、薬物治療の効果を評価する、患者の安全性を向上させる……。

 薬剤師の本分、職能以外の何者でもない。武藤氏はハイリスク薬、ハイリスク患者を端緒として、薬剤使用プロセスの全課程でMUEに取り組むべき――と提案。中でも経済的な効果を示す必要性を改めて強調した。

 保険薬局においても同様であり、その業務がどの程度価値があるか、エビデンスが必須とした。

 頭の固い方はとりあえず道を空け、6年制教育で培った高度な医学・薬学の知識、問題解決能力をフルに活用し、25年まで、自らの未来に向けて、がむしゃらにデータ、エビデンスを築き上げる――そんな雑なロードマップを考えてみたが、いかがだろう?




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