◆「薬学生はますますゆとりを失っているのではないか。国家試験に合格することだけに目が向くようになっている」。ある薬系大学の教員からそう聞いた。昨春の国試合格率が大きく低下したことを受け、「その傾向に拍車がかかっている」と語る
◆講義でも学生は、国試に出題されそうな内容なら熱心に聞くが、あまり関係がない話には興味を示さない。「国試合格につながる講義をしてほしい」という、学生や親からの要求も強いそうだ
◆「自分が学生の頃は、教授が自身の研究内容などを講義で熱く語っていた。それを聞くのが面白かったのだが」とその教員は懐かしむ。しかし、昔の講義スタイルが良いとも考えてはいない。国試を意識して講義をしているという
◆また、薬系大学も国試の合格率を強く意識している。それは当然だが、行き過ぎはよくない。学生時代にしっかりとした土台が形成されてこそ、社会に出てからの成長が期待できる。国試合格のその先を見据えた人材育成が重要だ。理想と現実のギャップをいかに埋めるかが問われている。
国試合格の先を見据えて
2015年02月09日 (月)
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