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欧米での環境リスクアセスメント実施で試験委託が活発化

2007年8月31日 (金)

 医療用薬成分の環境への影響を承認前に評価する環境リスクアセスメントを、EMEA(欧州医薬品審査庁)やFDA(米国食品医薬品庁)が実施したことを受けて、一部安全性試験受託企業は、今後、欧米で医薬品を販売する日本の製薬企業から委託が増えると見て、受託体制を強化しはじめている。

 医薬品は、体内から排泄され下水を通じて、水中、土壌に排出される。下水処理により除去されるといわれているが、専門家の研究によると、一部の抗生物質などでは、ほとんど除去されないものもあるという。具体的な悪影響は分かっていないが、医薬品は微量でも薬理活性を持つことから、環境への影響評価が必要だとして、欧米では規制化された。

 承認申請する医薬品が対象で、予測される環境濃度が一定以上のものは、魚などの水生生物・陸生生物、土壌への影響などについて試験を行い、報告しなければならない(適用除外あり)

 企業独自で行うには難しいことから、欧米で経験のある安全性受託企業などへの相談、受託へとつながっている。

 英国に本社を持つハンティンドンライフサイエンスは、施設や人員の増強を図る方針だ。日本での引き合いも活発化してきているという。日本法人の成澤充社長は「農薬などで環境リスクアセスメントの経験と能力が業界最大であることが強み」と話す。

 スイスに本社を持つRCCも、日本では3社から受託。引き合いも増え、日本法人でもコンサルティングを行っているほか、本社には専門部署を持つ。

 海外の受託機関の代理店となっているエルエスジーは、農薬関連の環境毒性試験で実績を持つ米ワイルドライフ社で受託する。高田明社長は、日本では、昨年末ごろから説明を聞きたいという企業が増えてきたといい、今後の需要増に期待を寄せる。

 大手の三菱化学安全科学研究所は、医薬品の環境リスクアセスメントの受託に向け取り組みを始めた。海上智取締役によると、まだ受託には至っていないが「相談は来ている」と言い、手応えを感じている。

 日本では、化学物質への環境中への影響は、化学物質審査規制法があるが、薬事法で扱われる医薬品は規制対象外。欧米で行われているような医薬品の環境リスクアセスメントの日本での規制化は未定だが、厚生労働省は、2005年度から3カ年にわたり厚生労働科学研究(主任研究者・井上達国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長)を進めている。

 06年度の報告書概要では、欧米の事例を参考に「化審法とも整合性のある指針作りの基礎的資料を素案としてまとめた」としている。

 毒性試験の専門家からは、日本で規制を導入する場合は、欧米と比べ水道水に接する機会が格段に多いことや、入浴習慣があることを考慮する必要があるとの指摘が出ている。




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