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病院関係者らが全盲の糖尿病患者を公園内に置き去り

2007年11月16日 (金)

◆先日、大阪府堺市の病院関係者らが、入院していた全盲の糖尿病の男性患者を公園内に置き去りにしていたというショッキングなニュースが全国を駆けめぐった。医療自体が相当厳しい局面に差しかかっている証だろう
◆厚生労働省は増加する医療費の抑制策の柱として、2012年までに療養病床を現在の38万床を15万床まで削減する方針だ。削減に伴う受け皿は介護施設が担う方向にあるが、受け入れる施設の整備は、まだまだ進んでいないのが現状
◆療養病床削減は、医療をそれほど必要としない社会的入院患者の削減が目的。医療から介護に移行する際に、どうしてもつきまとう経済的弱者の費用負担の問題は、今後、大きな課題の一つになろう
◆今回の事件は、患者側にも入院費未払いトラブルがあったと報道されるだけに、単に療養病床削減の歪みだけが背景にあるとは言い切れない。しかし、医療制度改革を推進していく中で、結果として医療従事者や患者の双方をモラルハザードへと追い込みかねない事態が起きる可能性があるということを、国も考慮すべきではないか。



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