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厚生科学審議会感染症分科会結核部会は、化学療法を大幅に見直した「結核医療の基準」の改正案をまとめた。投与頻度を少なくする2剤併用の間欠療法を取り入れた。また薬剤を選択する際には、薬剤感受性検査を行うことを明記した。改正案は年度内をメドにパブリックコメントを実施し、関連学会などの意見を聞いた上で、新基準を告示する。
化学療法や外科的療法などについて定めた「結核医療の基準」は厚生労働大臣告示。この基準に基づいて治療を行えば、95%は公費負担となる。
今回の改正では最新の知見をもとに、化学療法を記述。初回治療では薬剤耐性が疑われない場合、標準的な化学療法として、イソニコチン酸ヒドラジド(INH)とリファンピシン(RFP)、ピラジナミド(PZA)、硫酸ストレプトマイシン(SM)、またはエタンブトール(EB)を加えた4剤併用療法を2カ月間行い、その後INH、RFPの2剤またはINH、RFP及びEBの3剤併用療法を4カ月間行うとした。
この際、INH、RFPの2剤併用時の4カ月間、薬剤感受性が確認でき、全ての対面服薬の確認ができる場合、間欠療法が禁忌でなければ、週203回のみ服用する間欠療法を適用することを新たに盛り込んだ。2剤併用の間欠療法では、毎日服用との有効性に差がないとの十分なエビデンスが得られている。
確定診断については、現行指針の赤血球沈降速度検査は、効率的でないとして削除。結核菌検査に加えて原則として単純X線検査で、必要に応じてCT検査を行うこととした。結核菌検査が陽性だった場合の薬剤感受性検査も盛り込み、化学療法ではこの結果に基づき治療に有効な抗結核薬の選定に努めることとした。
このほか、潜在性結核感染症を治療の必要な病気と位置づけ、INHによる6カ月の治療を原則とした。
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