
山口社長
日本ケミファは、高尿酸血症領域での事業基盤を強化する。高尿酸血症治療薬「ウラリット」と、子会社の日本薬品工業が沢井製薬から承継し、昨年12月から販売しているウラリットのジェネリック医薬品(GE薬)「クエンメット」の2剤で市場シェア占有を実現しており、東北大学による尿アルカリ化薬と慢性腎臓病との関連性を検証する臨床研究による新たなエビデンス創出や、他社導出を前提とした新薬開発を進めることで、新たな成長機会につなげたい考えだ。「ウラリット」と「クエンメット」は、今秋にもベトナム工場で日本向けの製造を開始する予定となっており、製造原価率の改善も図る。山口一城社長は4日、都内で記者会見し、「将来のクエン酸製剤市場拡大の果実を、グループで独占できるポートフォリオになった」と手応えを示している。
ウラリットをめぐっては、日本ケミファの主力の新薬であったが、国内で特許が切れた後は、沢井製薬がウラリットのGE薬を販売し、GE薬売上シェアの9割を獲得している状況にあった。日本薬品工業が沢井のGE薬を承継し、先発品であるウラリットと同じ原薬と製造ラインに改め、昨年12月から「クエンメット」として販売を開始した。山口氏は、クエンメットについて、原薬と製造ラインがウラリットと同じであり、「事実上のオーソライズド・ジェネリック(AG)かもしれないが、特許が切れた直後に上市しているわけではないので、AGという意識ではなく、同等の情報提供活動はしていない」と語る。
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