国内バイオベンチャーでアプタマー(核酸抗体)創薬を手がける「リボミック」は、滲出型加齢黄斑変性症(AMD)に対する抗FGF2アプタマー「RBM-007」の米国第I/IIa相試験について、第1症例目となる被験者への投与を開始した。「RBM-007」は同社が最も期待をかける開発パイプラインで、FGF2を標的とする薬剤ではヒトへ投与するのは世界で初めての事例としている。同試験で良好な結果を示した場合には、来年第IIb相試験を実施する予定で、2021年までに終了させ、製薬企業への導出を狙う。
核酸抗体と呼ばれるアプタマー医薬は、核酸医薬の一種でありながら、抗体医薬と同様の作用が期待でき、標的蛋白質への結合性や標的蛋白の多様性に優れるなど、抗体医薬にはない利点を持つが、ファイザーが発売したAMD治療薬「マクジェン」の1製品の上市に限られ、成功事例が出ていないのが現状。「RBM-007」は、独自のアプタマー創薬技術によって創製された治療薬候補で、滲出型加齢黄斑変性の誘因、増悪因子と考えられるFGF2の機能を特異的に阻害するのに加え、血管新生と瘢痕形成を抑制する作用を併せ持つ。3カ月に1回の硝子体注射で硝子体に長期に滞留する薬剤特性も特徴だ。
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