山形県北庄内地域に本拠を置く地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」は昨年11月から、医薬品の使用指針「フォーミュラリー」の運用を地域で開始した。まずは2薬効群でスタートし、地域の医師会や薬剤師会を含む傘下9法人の連携によって地域全体での浸透を図っている。同代表理事の栗谷義樹氏(山形県・酒田市病院機構日本海総合病院理事長)は16日、大阪市内で開かれた日本医薬総合研究所主催の研究会で講演し「地域フォーミュラリーはステークホルダーが多く難易度は高いが、適切に運用されれば地域医療経済への影響度は大きい」と期待を語った。
フォーミュラリーとは、薬効群ごとに同種同効薬を評価して薬剤の使用基準を明示するもの。今回、運用を開始したのはプロトンポンプ阻害薬(PPI)とα-グルコシダーゼ阻害薬の2薬効群。先発薬も含めて同種同効薬の有効性、安全性、経済性を総合的に検討した上で推奨薬を選定した。PPIでは第一推奨薬をランソプラゾール錠(武田テバ、東和、沢井)、ラベプラゾールNa錠(サンド、日医工、杏林)、オメプラゾール錠(東和、アメル、日医工)に設定。α-グルコシダーゼ阻害薬では第一推奨薬をボグリボースOD錠(沢井、東和、高田)、ミグリトール(沢井、東和)に設定した。
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