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令和の薬業界、激動から光明を

2019年12月27日 (金)

 新元号「令和」の時代になって初めての年が終わろうとしている。改元という大きな時代の節目を迎えた今年、日本列島は度重なる台風被害に見舞われ、社会的には消費増税への対応に追われた1年でもあった。

 未曾有の少子高齢社会に突入しようとする中、大きな政治課題に社会保障制度改革も浮上した。現役世代の負担が限界と言われ、まさに高齢者も含めた全ての世代で応分の負担をして社会保障制度を支えようというもので、特に団塊世代が75歳以上となり社会保障費が大幅に増加する2022年まで、医療費の改革は待ったなしの状況にある。

 社会保障制度の一翼を担う薬業界も時代の変化と無縁ではない。11月には医薬品医療機器等法の改正案が可決・成立し、今月に公布された。来年度の診療報酬改定、薬価制度改革も内容が固まり、改正薬機法に対応する予算も手厚く計上された。

 これから法改正に基づき、製薬企業には新薬をより迅速に提供し、添付文書を電子化して最新情報を速やかに医療現場に届けて安全対策につなげる取り組みが求められ、薬剤師には上市された医薬品を適切に供給し、機能別の薬局で在宅における癌治療を充実させるほか、病院では入院患者の退院時までの切れ目ないケアなど大きな役割の発揮が期待されている。

 来年以降は、医療費削減と負担増がますます重要なキーワードとなってくるだろう。製薬企業と薬局の事業環境が厳しさを増していくと見込まれる一方、ドラッグストアなどにとっては非薬剤師の活用や医療保険外の事業に取り組む新たなチャンスが到来する追い風と言える。

 改元前後には、経済的に大きな動きがあると言われている。平成への改元後にはバブル経済が崩壊して日本経済の低迷を招いたが、令和の時代は薬業界にも淘汰、廃業の足音が聞こえてくると言っても過言ではない。本紙の10大ニュースとその他の主なニュースを見ても、時代が大きく変わろうとしているうねりを感じることができる。

 今年の漢字の第1位は「令」であった。新天皇即位による新元号令和の決定が、新たな時代の幕開けを告げた1年というのが理由であるが、もう一つは「令」という漢字が持つ意味に、明るい新時代を願う国民の願いが集約されたともしている。

 薬業界の先行きは「五里霧中」といった難しい局面に直面しているところかもしれないが、来年夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催される。マラソンや競歩の札幌開催という迷走はあったものの、明るい話題の一つになろう。令和2年も薬業界に暗い霧を晴らすような明るい話題が一つでも増えることを期待したい。




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