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英市場調査機関のデータモニターは、世界的に開発競争が激化しているモノクローナル抗体の全世界売上高が、2007年の260億ドルから13年には2倍近い490億ドルに達する見込みとの分析結果を発表した。モノクローナル抗体市場全体に関しては、年平均で約11%の高成長率を達成し、13年にかけて今後も持続するとしている。
モノクローナル抗体市場の上位5製品は、血管新生阻害薬「アバスチン」(ジェネンテック/ロシュ)、乳癌治療薬「ハーセプチン」(同)、非ホジキンリンパ腫治療薬「リツキサン」(バイオジェン・アイデック/ジェネンテック/ロシュ)、抗炎症モノクローナル抗体「ヒュミラ」(アボット)、「レミケード」(J&J/田辺三菱)。これら5製品が売上成長の大半を占め、07013年までに年間売上高30億ドル以上を既に達成、または達成が見込まれている。
昨年、各社が公表した売上高によると、モノクローナル抗体部門売上高の77%を上位5製品が占め、これはモノクローナル抗体市場の78%に相当するという。13年でも上位5製品のシェアは60%を維持すると予想している。
分析では、「ヒュミラ」を除く上位5製品が成功した要因として、新たな標的に対応する市場初のモノクローナル抗体で、アンメットニーズの高い疾患に対応していることを指摘。市場への最初の参入で100%近いシェアを獲得し、複数の適応症取得へと積極的に展開したことで、急速に市場拡大を実現している点を挙げている。
その上で、07013年にかけて、年間5億ドルの売上達成が予想される新たな8製品として、アルツハイマー型認知症治療薬「バピネウズマブ」(エラン/ワイス)、骨粗鬆症治療薬「デノスマブ」(アムジェン)、RSV感染予防薬「モタビズマブ」(アストラゼネカ)、抗炎症モノクローナル抗体「ゴリムマブ」(J&J)、滲出型加齢黄斑変性治療薬「ルセンティス」(ジェネンテック/ノバルティス)、自己免疫性疾患治療薬「アクテムラ」(中外/ロシュ)、多発性硬化症治療薬「タイサブリ」(バイオジェン・アイデック/エラン)、PEG化抗炎症モノクローナル抗体「シムジア」(UCB)‐‐を挙げ、これら8製品で年間約110億ドルの売上増が予想されるとし、現在の上位5製品を上回る成長率を記録すると分析している。
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