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医療改革、重い都道府県の役割

2006年7月21日 (金)

 医療制度改革関連法が6月21日に公布され、これから具体的な運用に向けて、政省令などの整備が進められる。それに先立って厚生労働省は、改正法で重要な役割を担うことになった都道府県関係者等を集め、改正法に関する説明会を開催した。

 今回の改正で大きな点は、一つには都道府県の責任が従来にも増して重くなっていることが挙げられる。医療計画や医療費適正化計画は、国が一定の目標等を示すわけだが、地域特性を踏まえ、これら計画の作成・実施を主体的に進めるのは都道府県だ。

 中でも重いのが、医療費抑制への中長期的取り組みだ。医療費適正化計画は5年間の計画終了時点で評価が行われるが、目標が達成されていない場合、都道府県は厚生労働大臣に診療報酬抑制の意見を提出できる権限がある。

 一方、生活習慣病の予防対策に重点を置いたのも、今までにない大きな特徴だ。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に照準を合わせ、食生活や運動習慣といった生活習慣の改善と、予備軍や有病者に対する徹底した保健指導を実施することにより、将来的に糖尿病合併症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症を予防していこうという考え方だ。

 このため、今まで老人保健事業として市町村が実施している各種健診のうち、内臓脂肪症候群に関連する問診、身体計測、血圧検査、コレステロールなどの血液化学検査、肝機能検査、腎機能検査、血糖検査、血清尿酸検査といった基本的な健診項目については、医療保険者が義務として実施する方向性が打ち出されている。

 また医療保険者は、これらの健診結果に基づいて予備軍や有病者などを把握すると共に、徹底した保健指導を行い、生活習慣の変容を促していくことが求められている。

 そうした対策を実施する上でも、やはり都道府県が重要な役割を担うことになる。都道府県は国が示す目標値等を基に、地域特性を勘案した健康増進計画を策定し、独自の目標値を設定する。目標達成のため都道府県は、医療保険者や市町村といった関係者の役割分担を明確化し、それらの連携を促進していくという総合調整機能を果たさなければならない。

 ここで二つの組織が立ち上がることになる。一つは、健診・保健指導が医療保険者の義務となることから、各保険者間の調整を行う保険者協議会。もう一つは都道府県ごと、2次医療圏ごとの設置が目指されている地域・職域連携推進協議会だ。

 ただ、これら二つの組織の役割分担が、なかなか見えてこない。保険者協議会は、各医療保険者の連携を促進してハイリスク者対策に重点を置き、地域・職域連携推進協議会は健診等の普及啓発活動を中心に、保険者・地域が一体となった取り組みを進めていく役割が求められるのだろうか。

 今年度からは2008年度からの実施を目指し、都道府県で準備事業が実施されることになっている。本来の役割分担が、その中で明確化されてくるのかもしれない。




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