米FDAが初の互換性のあるバイオシミラーインスリンを承認

2021年08月04日 (水)

この記事は2021年08月04日に配信された記事です。
配信日から2年以上経過している為、最新情報ではない可能性があります。

 米食品医薬品局(FDA)は7月28日、糖尿病領域では初となる互換性のあるバイオシミラー製剤を承認した。FDAは、「費用対効果の高い治療選択肢を患者に提供可能となり、薬剤費の削減につながる」と述べている。

 承認された製剤は、マイラン製薬が申請していたインスリングラルギン-yfgn「Semglee」。持効型インスリン製剤であるインスリングラルギン「ランタス」のバイオシミラーであり、かつ両者には互換性があると認められた。

 バイオシミラーは、薬剤師の判断で変更可能なジェネリック医薬品と異なり、医師の処方箋で指定された製剤からの変更は不可。ただし、FDAにより承認されているバイオシミラーの中で、さらに互換性があると認められた製剤は、ジェネリック医薬品と同じように、薬局レベルで変更することが可能となる。インスリングラルギン-yfgnは、糖尿病用薬としては初の互換性のあるバイオシミラー。1型糖尿病の成人と小児、および2型糖尿病の成人での使用が認められた。

 10mLのバイアル製剤と3mLのプレフィルドペン型製剤があり、1日1回皮下投与する。メーカーの発表によると、バイアル製剤は2010年時点のランタスの価格で販売され、ペン型製剤は2007年時点のランタスの価格となる見込みであり、「長期間にわたって最も低コストで提供する」としている。

 今回の承認は、インスリングラルギン-yfgnとインスリングラルギンが極めて類似しており、両者には安全性、純度、および薬効の点で、臨床的に意味のある違いがないことを示すデータに基づくもの。FDAのプレスリリースによると、「どのような患者であっても両製剤で同等の臨床効果を期待でき、インスリングラルギンからインスリングラルギン-yfgnに切り替えた場合に生じる可能性のあるリスクは、インスリングラルギンを使い続けた場合と変わりがない」と記されている。

 なお、低血糖時の使用や、インスリングラルギンに対する過敏症の既往がある患者への使用はできない。また、ランタスと同様に持効型インスリン製剤であることから、糖尿病性ケトアシドーシスのような緊急症への使用は推奨されない。副作用として、低血糖、低カリウム血症、心不全、浮腫、体重増加、重度のアレルギー反応などが報告されている。(HealthDay News 2021年7月29日)

Source
https://consumer.healthday.com/fda-approves-first-biosimilar-insulin-product-2654249385.html

More Information
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-interchangeable-biosimilar-insulin-product-treatment-diabetes


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