大洋薬品工業(本社名古屋市、社長新谷重樹氏)は14日、シェリング・プラウ(本社大阪市、社長鳥居正男氏)から春日部工場(埼玉県春日部市)の譲渡を受け、同工場で製造する品目を受託することで合意したと発表した。譲渡の実行と大洋薬品としての委受託生産開始は7月1日を予定している。工場の譲渡金額は非公開。
春日部工場は2007年7月に事業統合した旧日本オルガノンの8製品(麻酔、婦人科領域、中枢神経系、抗アレルギー)の生産拠点となっていた。工場の譲渡は、適正規模の生産体制確保について検討を進めていたシェリング・プラウと、生産体制の拡充を目指していた大洋薬品の考えが一致したことによるもの。譲渡は春日部工場の土地、建物、製造設備などの資産のほか、従業員130人(パート含む)も含まれる。
現在、大洋薬品は、受託・自社製品を含む全ての品目の生産を高山工場(岐阜県高山市)に一極集中させている。今回の新たな工場取得により、大洋薬品では「生産拠点における人的・外的災害などのリスク分散が図れ、医薬品の安定供給基盤が一層強固なものになる」としている。また、高山工場と春日部工場は高速道路網によりアクセス圏内となるため、両工場の機能の最大化も図れる。大洋薬品の受託事業の売上高は、09年3月期見込みで約90億円。
春日部工場は、敷地面積約2万6442m2、製造QC棟(製造・品質管理・倉庫が一体)や事務所棟などがあり、造粒機、混合機、打錠機、錠剤コーティング機、カプセル充填機、検査機、各種包装設備、試験設備、立体自動倉庫などが設備されている。