国立大学病院薬剤部の博士取得者が少なく、研究や教育で課題が生じている現状が、千葉大学病院薬剤部の石井伊都子教授・薬剤部長から提言された。一般病院と比較し、医学部や薬学部に隣接するため博士が取得しやすいにも関わらず、薬剤師数に対する博士取得者数の割合が10%未満の病院が7病院見られた。国立大学病院薬剤部で教員が薬剤部長のみの病院もあり、石井氏は「将来を見据えて博士を増やすための方策は、各薬剤部教授の個人の努力だけでは解決せず、国公私立の壁を越えて全ての大学病院全体の問題として進めていく課題」と投げかける。
大学病院に所属する医師は、ほとんどが博士を取得しているが、薬剤師の博士号取得率は医師に比べて低いのが現状だ。石井氏は「国立大学病院2023、24年度薬剤部実務調査」から国立大学病院博士取得率の状況をまとめた。薬学・医学博士取得者総数(24年6月時点)を薬剤部員(23年10月時点)で割った博士取得割合を比べたデータによると、10%以下の病院から30%を超える病院までバラツキが見られた。
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