インテージヘルスケアが2025年の一般用医薬品(OTC医薬品)の販売動向について、調査データを分析した結果をまとめた。それによると、25年のOTC医薬品市場(指定医薬部外品を含む一般用医薬品の市場)の販売金額は1兆2780億円だった。前年比に関しては、金額ベースで135億円減の99%、個数ベースでは97%となり、いずれも前年を下回った。
コロナ禍以降、訪日客数の増加や国内の人流の回復、また製品価格の値上げの影響などもあり、OTC医薬品市場も金額ベースでは伸長を続けてきた。
同市場の販売金額は、21年が1兆0630円、22年が1兆1350億円、23年が1兆2684億円、24年が1兆2915億円、25年が1兆2780億円と推移してきている。25年は前年割れに転じたわけだが、前年に届かないという結果は4年ぶりのことになる。
昨今、様々な物の値上がりが続き、家計等に大きな影響をもたらしているのは周知の事実だが、その影響はOTC医薬品にも波及しているようだ。
例えば、同社の調査によると、OTC医薬品市場の上位10薬効の市場規模は22年までドリンク剤がトップの薬効だったが、23年に総合感冒薬がドリンク剤を上回り、25年もトップで、ドリンク剤は3位という状況だった。生活必需品の価格高騰により、必需品でないドリンク剤等の購買意欲が低下したと見られている。
25年に好調だった薬効に目を向けると、トップ5は目薬、鼻炎治療剤、皮膚用薬(除殺菌)、外用鎮痛・消炎剤、整腸薬が並ぶ。25年の年間訪日客数は4268万人超で過去最高を更新しており、同客層に人気があるという目薬は前年と比較して30.6億円のプラス、外用鎮痛・消炎剤も20.3億円のプラスとなっている。
一方、OTC医薬品市場の今後を展望するに当たっては、国内の人口減少に加え、26年以降の訪日客数の伸びの鈍化や「買い物」から「体験」へのシフトが進むことによる訪日客需要に対する過度な期待が難しくなってくる状況なども踏まえる必要があるようだ。
同社は、インバウンドによる好影響を受ける薬効でも26年以降は「追い風一辺倒とは言えない見通し」と指摘している。また、物価高による買い控えの影響も見過ごせないだろう。
食料品をはじめ生活必需品の物価高が続く中では、本当に欲しいものや本当に良いものを生活者が志向する傾向がさらに鮮明になってくるのではないか。そうした中で伸長していくOTC医薬品の薬効はどのようなものかという点には、高い関心が寄せられると思う。
好調な薬効に牽引されたOTC医薬品市場全体の推移も含め、26年も目が離せない状況が続くと言えよう。
















