
松岡氏の講演の様子
フリー株式会社が主催する、経営とバックオフィスをつなぐイベント「freee統合ワールド2026」が16日都内で開かれた。医療業界向けセッションでは、「地域医療を支える医療法人の『持続可能な経営戦略』~済生会熊本病院に学ぶ地域連携の深化と、日本経営が語る多業態DX~」をテーマに、済生会熊本病院経営企画室/広報室室長の松岡佳孝氏、日本経営グループの渡井紳一郎氏、フリー株式会社の瀬見井佐和子氏が、医療機関の地域連携の深化や医療法人の経営基盤強化、バックオフィス改革の必要性、DXの方向性について意見を交わした。
松岡氏は、日本の医療提供体制について、病院数や病床数が多い一方で、医師や看護師などの人的資源が偏在している点が課題だと指摘した。また、今後85歳以上の高齢者人口の増加が見込まれる中、高齢者救急や介護を必要とする患者への対応が、地域医療の大きな課題になるとの認識を示した。
そのため、医療機関としては今後診療科や医師の集約、施設間の役割分担、地域内での連携強化が重要になるだろうと述べた。済生会熊本病院では、従来の「入院や手術につながる患者紹介」を中心とした連携から、より早い段階で患者と接点を持ち、重症化や不要な入院を防ぐ方向へと連携を広げ、このような状況に対応しているという。その具体策の一つとして、同院では、適切な外来診療によって不要な入院を予防・回避できる可能性がある疾患群ACSC(Ambulatory Care-Sensitive Conditions)への対応を重視し、心不全などを念頭に、地域の医療機関と連携し、患者の早期検査や治療につなげる取り組みを進めているとしている。
さらに同院では、患者の流れを組織的に管理するPFM(Patient Flow Management)の部門を立ち上げ、これにより、患者の入院後の管理だけでなく、救急患者や他医療機関からの受け入れなども含めて患者の流れを把握し、医療の質向上と経営改善の両立を目指しているという。
松岡氏は、こうした環境変化、医療機関の統合、地域連携が進む中で、医療機関としては診療機能だけでなく、人事、経理、経営分析などのバックオフィス機能をどう見直すかも課題であると指摘した。その上で、現場を支えるバックオフィス部門を効率化し、組織として再現性のある経営判断を行えるようにすることが重要だと述べた。
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