
POCKIT Central
堀場製作所は17日、国立感染症研究所獣医科学部の前田健部長、石嶋慧多研究員と共同で、マダニ媒介性の人獣共通感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を引き起こすウイルスの迅速検出に、同社が国内で販売する研究用核酸分析装置「POCKIT Central Nucleic Acid Analyzer(POCKIT Central)」が有用であることを確認したと発表した。
今回、発熱や食欲不振などSFTSウイルス(SFTSV)感染が疑われるネコ40頭の血清を「POCKIT Central」と、従来法(RT-PCR)で測定・比較した結果、検査結果が全検体で一致した。
また、ネコの全血に、不活性化したSFTSVを添加した検体を同装置で測定する試験でも、獣医療現場での一次判定に必要な感度を満たす結果が得られた。これにより、従来法で必要となる血清分離などの複雑な前処理を簡略化しつつ、同装置を用いた全血で約85分という迅速測定が可能であることが示された。
同装置は、核酸の抽出から検出までを装置内で自動化し、簡便な操作で測定が可能となっている。さらに、測定後に装置内へ紫外線C波(UV-C)照射を行う設計により、作業者の二次感染リスク低減にも配慮されている。
SFTSVの感染が疑われる症例では、診療時点での隔離や獣医療従事者の防護具強化など、迅速に感染対策を実施することが重要となる。安全性に配慮しつつ短時間で測定結果を得られる同装置は、獣医療従事者を支援するツールとしての活用が期待される。
今後、同社は、動物用医療機器として製造販売承認の取得を通じて同装置の普及に取り組むと共に、尿などの他の検体を用いたSFTSVの検出や、ネコ以外の動物種での評価といった幅広いニーズへの対応を目指していく。
今回の研究の成果は、科学誌「Journal of Virological Methods」でオンライン公開され、同装置によるSFTSの迅速な診断や早期治療への貢献が期待されている。
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