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イレッサの臨床試験結果とアストラゼネカ社の対応

2007年03月02日 (金)

◆臨床試験結果から、抗癌剤「イレッサ」は、比較したドセタキセルに優先して「投与を積極的に選択する根拠はない」と、薬事・食品衛生審議会の調査会が結論を下して1カ月。同剤を販売するアストラゼネカ(AZ)の対応を注視してきた。まず試験結果をいつ、ウェブサイトで公開するのか。医師と患者への情報提供だけでは不十分と思っていたからだ
◆イレッサは副作用で社会問題となった。が、アジア人には効果が高い。化学療法の歴史を変え得る分子標的薬という新しい薬剤の先駆けでもある。そのため同剤は、日本では、医師と患者のものだけでなく社会的な存在といえないか。そうなら今回の重大な試験結果は、AZが率先して公開すべきと考えた
◆同社は当初、報道対応したことで発表済みとの認識だったが、方針転換し、2月27日に結果概要を公開した。「重要な薬剤であり、新たな情報が加わったため」と説明する
◆同社は、社会貢献でもリーダーを目指す。公開は、その目指す方向とも合致すると思う。それだけに公開に時間がかかったのは残念だ。しかし、今回の件は他社も、薬と社会の関係を考えるケーススタディにしてほしい。



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