
永里社長
旧化学及血清療法研究所(化血研)の事業を承継したKMバイオロジクスは、既存の4種混合ワクチン「クアトロパック皮下注シリンジ」にヒブワクチンを加えた新規5種混合ワクチン「KD-370」の上市を予定している2022年以降に、化血研のピーク時売上高470億円、営業利益120億円への業績回復を目指す。化血研が引き起こした血液製剤に関する不正問題に対する信頼回復を最優先課題に据え、将来的にはMeiji Seika ファルマと連携し、免疫や癌領域といった新たな疾患領域にも挑戦していく方針。熱帯病が流行し、ワクチンの需要が高いアジアやアフリカ、中南米など、海外展開も視野に入れる。
代表取締役社長に就任した永里敏秋氏(Meiji Seika ファルマ取締役)は、本紙のインタビューに対し、化血研が不正を引き起こした根本の原因について、「閉鎖的な組織体制」を挙げた。ワクチン、血漿分画製剤、動物薬の3事業体の間で人材の流動化がなく、製造プロセスで属人化が生じていたという。プロセスの“見える化”が難しくなり、何か問題が生じても事業単位で完結するため、問題の事実は隠蔽され、長期にわたる不正につながったとの見立てだ。
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