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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】あおば薬局(HYUGA PRIMARY CARE)

2024年07月31日 (水)

在宅訪問薬局支援事業を活用‐地域貢献で患者の利便性追求

きらりプライム事業に加盟しているあおば薬局

きらりプライム事業に加盟しているあおば薬局

 木川薬局が運営する「あおば薬局」は、神奈川県南足柄市沼田に位置している。駐車場の完備や外国語対応、バリアフリー構造など、様々なニーズに対応する形で患者の利便性を追求してきた。同時に地域に対する貢献も重要視しており、その一つが在宅訪問の取り組みになる。同薬局は、HYUGAPRIMARYCAREが展開する「きらりプライム事業」に加盟。在宅訪問薬局運営のノウハウ、システム、人材・営業等を提供する同事業を活用し、在宅訪問の取り組みにも力を注いでいる。

 あおば薬局は2007年8月に現在の場所に開局した。南足柄市と小田原市の境界線近くに位置しており、いわゆる小田原エリアとなる。同エリアもまた、日本の各地と同じように、子供の数は次第に減り、高齢者の数が増えてきている状況。それに伴い、介護施設等も増加傾向にあるという。

 現在(5月末時点)、あおば薬局のスタッフ構成は常勤の薬剤師が2人、非常勤薬剤師が3人、事務スタッフが常勤3人、非常勤3人という体制になっている。通りを挟んだ向かい側に小児科医院があり、応需する処方箋の95%は同医院からのものだ。応需する処方箋枚数は平均で月に1500~1600枚だが、季節による違いも大きく、冬から春(4月頃)にかけてが最も多くなる時期となっている。

 開局以来、地域の様々なニーズに配慮する形で運営してきた同薬局だが、管理薬剤師の木川雅敏氏によると、近年は処方箋枚数が減ってきていたという。そうした中で安定的な薬局運営の維持という観点から、地域支援体制加算の取得を目指した。以前に地域支援体制加算を取得していた実績もあり、また、今後の薬局のあり方を見据えた上で、その判断を下したとする。

 地域支援体制加算の要件の一つに、在宅薬剤管理の実績がある。改めて在宅薬剤管理の取り組みを行おうと考えた同薬局が加盟したのが、HYUGAPRIMARYCAREの「きらりプライム事業」だ。

 同事業では、同社が創業時から蓄積してきた在宅訪問のノウハウを活用して、在宅訪問事業を行っている、または参入を検討する中小薬局事業者の困りごとにソリューションを提供。在宅患者対応の支援に加え、医薬品購入交渉の代行、患者と介護施設を新規開拓する営業の支援などの課題にも共に取り組んでいる。19年のサービス開始以降、着実に加盟薬局数を増やし、現在では1870の薬局が加盟している。

 中小薬局事業者の負担を軽減する様々なサービスが提供される同事業だが、木川氏は患者と介護施設を新規開拓する営業の支援に大きなメリットを感じている。実際に同薬局が現在担っている1施設2人の在宅薬剤管理に関しても、同事業の支援によるものだ。

 木川氏は、「例えば、どこの介護施設に在宅薬剤管理を希望している患者さんがいるのか、あるいはどこの医師なら往診に行けるのか等の情報を持っている。また、その患者さんおよび施設と医師をつなぎ、さらに当薬局を紹介して3者をつなぐといった支援もしてくれる」などと評価。「当薬局の相談員という立場で施設や医師のもとに足を運び、当薬局のメリットを示すなど細かくアプローチしてくれる。そうした面は、薬剤師の場合、どうしても苦手であることが多いので、非常に助かっている」と語る。

報告書作成時間を短縮

在宅訪問支援情報システム「ファムケア」を活用

在宅訪問支援情報システム「ファムケア」を活用

 また、きらりプライム事業で提供しているサービスには、在宅訪問支援情報システム「ファムケア」の貸与もある。ファムケアは、同社の薬剤師の声を取り入れて自社開発されたシステムで、訪問先での患者の薬歴等の確認など、在宅訪問業務に特化した機能を有している。

 同薬局でもファムケアを活用。木川氏は、「在宅訪問業務における計画書および報告書をファムケアを用いて作成しているが、フォーマットが出来上がっているので、必要事項を入力していくだけで済む。自分自身で作成するよりも遙かに手間がかからず、時間短縮につながっている。当薬局で在宅訪問業務は私1人が担当しているので、なるべく労力を減らしたいのだが、ファムケアは非常に役立っている」「計画書や報告書を作成するだけでなく、FAXと連携した送信などについても、予め設定しておけば定期のタイミングで自動送信される。ここも手間がかからず非常に便利だと思っている」などとファムケアのメリットを強調する。

在宅訪問業務にも注力

在宅訪問業務にも注力

 このように在宅訪問業務にも注力する同薬局だが、薬剤師数に限りがある中、日々の業務においては常に効率化を図るよう努めている。在宅対応におけるきらりプライム事業への加盟に加えて、手書きだった薬袋を印刷に切り替えたことや、散薬やシロップを自動で作れる機械の導入なども効率化の一環となっている。

 そして、今後の地域薬局のあり方に関して言及した木川氏は、地域への影響力を持つことの重要性を指摘する。「門前や近隣にあるクリニックや医院等の求心力だけに頼るのではなく、“ここに薬局があって良かった”と思ってもらえることが必要だ」との考えを提示。

 「そのためにできることは、在宅対応を行い、営業時間も延長し、在庫数を増やして様々な処方箋を応需できるようにしておくなど、地域支援体制加算を取得できるようにすることではないかと思う」と話している。

あおば薬局(HYUGA PRIMARY CARE)
https://www.hyuga-primary.care/ja/service/prime.html



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