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【東北大】緑内障診断AIの開発に成功‐眼科専門医レベルの読影が可能

2025年03月05日 (水)

 東北大学の中澤徹教授らの研究グループは、眼科専門医の診断過程を模した高精度な緑内障スクリーニングAIを開発した。AIによるスクリーニングの判断根拠が数値で示されることで、画像から診断を下す読影医もAIの診断結果を容易に理解できる。また、軽量設計なAIであり、携帯型デバイスへの利用も期待される。

 緑内障は日本における失明の主要原因だが、初期段階では自覚症状が少なく、診断が難しいという課題がある。

 今回、同研究グループは、AIを活用した緑内障スクリーニング(AI-GS)ネットワークを開発した。このネットワークは、緑内障診断に重要な所見(視神経乳頭出血、網膜神経線維層欠損、視神経乳頭陥凹拡大)を個々に判定するための専用AIモデルを作成し、それぞれの結果を踏まえて統合的に緑内障の有無が判定できる。

 このような手法を取ることで、従来のAIシステムを大きく上回る性能を発揮し、8000枚の眼底写真を用いた試験では感度93.52%、特異度95%を達成しいる。特に、眼底写真の変化が小さい初期緑内障を高精度に検出できるの大きな特徴となっている。

 また、AI-GSネットワークが出力する結果は、それぞれの確信度を数値によって出力することができる。従来のAIは「ブラックボックス」であり、AIによる判定根拠が不明だったことに対して、同研究グループが開発したAIは、結果の根拠や確信度を数値によって出力するため、読影医がAIの判断根拠を理解することができる。

 今回開発されたAIシステムは、軽量であるため携帯型デバイスや定理ソース環境でも利用できることが期待される。眼科医が限られた地域においても高度の眼底読影が可能となり、より多くの人々が緑内障の早期発見の機会が得られる可能性ある。

 また、緑内障スクリーニングにおいて、専門医と同等の診断性能を持つAIを活用した大規模なスクリーニングを行うことが期待される。



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