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受診者の87.7%に何らかの異常‐2005年・人間ドック全国集計成績

2006年9月14日 (木)

 日本人間ドック学会は、2005年の人間ドック全国集計成績をまとめた。「異常なし」は12.3%と昨年と同率で、人間ドック受診者の87.7%に何らかの異常が認められている実態が明らかになった。癌統計をみると、検査の精度向上を受けて早期癌の発見が増加してきており、人間ドックの有効性が裏付けられた一方で、生活習慣病、最近話題のメタボリックシンドロームに関しては異常頻度が年々増加傾向にあるなど、新たな対策が求められる結果だった。人間ドック学会ではストレスに着目し、心の観点から生活習慣病対策を強化していくことにしている。

 人間ドックで発見した癌の臓器別占有率の推移は、男性で肺癌が年々増加傾向にあった。もう一つ特徴的なのは1992年を境に前立腺癌の急増が見られること。その背景としては、人間ドック実施施設の60%に肺のCT検査が、90%以上にPSA検査が普及したことが挙げられ、肺癌や前立腺癌の早期発見率が飛躍的に向上したものと考えられている。

 女性においても、92年を境に乳癌の発見率が急上昇しており、これもマンモグラフィー、エコー検査といった検査機器、診断技術の進歩が早期発見につながっている。

 また、主要臓器別癌の年代別占有率を比較した結果では、胃癌、大腸癌、肺癌では、50歳代と60歳代が80%以上を占め、加齢と共に増加傾向にあることが明らかになった。特に前立腺癌に関しては、40歳代でわずか1.5%にしか発見されず、50歳代から急増しており、このことからもPSA検査は、50歳代以上の男性には必須の検査であることが考えられた。

 一方、欧米で加齢と共に増加傾向がみられる乳癌は、わが国では40歳代が36.1%、50歳代が37.7%と、40050歳代が多くを占めたことから、40050歳代を中心にマンモグラフィー、エコー検査を行うことが欠かせないことが裏付けられている。もう一つ、若い女性で注目されている子宮癌は、39歳以下が33.7%と最も多い特徴があり、今や子宮癌は20歳代後半から積極的に健診を行っていかなければならない時代になったと言えそうだ。

 一方、人間ドックのメインともなる生活習慣病についての成績では、「異常なし」判定は全体の12.3%と、ほとんどの受診者で何らかの異常が発見されるという結果だった。その過半数はC判定とされた軽度異常の経過観察例で、多くがメタボリックシンドロームに該当することから、生活習慣の一層の改善が求められそうだ。

 実際、項目別に異常者頻度をみると、肝機能異常が最も多く26.6%、また高コレステロール25.5%、肥満23%、耐糖能異常12.5%、高中性脂肪15%、高血圧15.4%など、メタボリックシンドロームに関連した異常がほとんどを占めていた。さらに、これらライフスタイルに関連の深い6項目の異常頻度は、全ての項目で増加傾向に歯止めがかからない状況が続いている。

 こうした健康度悪化の理由として、調査報告では、生活習慣の欧米化、専門学会による病態識別値の採用、人間ドック反複受診者の増加による加齢の影響、社会環境の悪化を挙げている。特に社会環境の変化が心のバランスを失い、ストレスが生活習慣を悪化させる原因になっていると分析している。

 同学会副理事長の笹森典雄氏は、「癌の早期発見に大きく貢献した人間ドックだが、生活習慣病対策としては失敗に終わった」と総括。生活習慣病の源流にはストレスが関係しているとし、人間ドック担当医による問診票を活用したストレスチェックが必要だと課題を指摘した。




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