重要さ増すサプリ専門家養成

久保理事長
臨床栄養分野のプロフェッショナルの育成と共に、厚生労働省の基準に100%沿った内容で、栄養と健康食品・サプリメントについての正しい知識を持った人材「NR・サプリメントアドバイザー」の教育・認定にも力を入れる日本臨床栄養協会(東京港区、久保明理事長)。セルフケア、セルフメディケーションが求められる時代にあって、専門的観点から個々人の栄養状態を評価し、適切にアドバイスできる専門家の存在は今後ますます重要になってくるが、今年度からは年1回のNR・サプリメントアドバイザー認定試験が、CBT(Computer Based Testing)方式に変更されたことで、より試験に挑戦しやすい環境となった。
健康の維持・増進を目的として、サプリメント等を含めた“いわゆる健康食品”を摂取する人は多いが、健康食品に含まれる成分の機能や活用方法等について正しく情報を提供できる助言者が必要ということで、厚生労働省通知「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方について」(2002年2月21日付)に基づき、様々な民間団体・組織が専門家の養成と資格認定を行っている。
日本臨床栄養協会では、十分な知識と技能を習得し、人々の健康増進に寄与することができるサプリメントアドバイザーの養成を図るため、01年9月に日本サプリメントアドバイザー認定機構をいち早く立ち上げた。そして12年4月からは国立健康・栄養研究所養成の栄養情報担当者(NR:Nutrition Representative)事業が協会に移管統合され、「NR・サプリメントアドバイザー」となった。厚労省・消費者庁のホームページで同協会は、アドバイザリースタッフを養成し資格認定を行う主な3団体の一つとして取り上げられている。
NR・サプリメントアドバイザーは医師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、登録販売者等のほか、食品関係企業に従事する人など多職種で構成されるが、資格取得には日本臨床栄養協会に入会し、厚労省のガイドラインに100%対応した内容のNR・サプリメントアドバイザー講座(通信教育)を受講後、年1回の認定試験に合格することが条件となる。
NR・サプリメントアドバイザー認定試験は、これまで12月第1週の日曜日の1日のみで、会場も全国7会場での実施だったことから「受験日も限られるほか、試験会場が自宅近くにないこと等を理由に、受験を諦めるという声が少なからず届いていた」(同協会)という。そこで今年度実施の第13回認定試験から、受験生の利便性を第一に考え、CBT試験方式を導入することになった。
CBT方式は、複数会場のCBTテストセンターでパソコンを使って受験でき、「日本漢字能力検定」「FP技能検定」「日商簿記」「国内旅行業務取扱管理者試験」など、様々な団体等で採用されている実績がある。同方式の導入により、これまで遠方の受験者は飛行機や新幹線を利用して会場まで足を運ばなければならず、自分の都合のいいタイミングで受験できなかったが、この時間的・経済的負担が大幅に軽減され、よりNR・サプリメントアドバイザー認定試験に挑戦しやすい環境が整った。
同協会では「NR・サプリメントアドバイザーを幅広く増やすことにより、消費者からの健康食品・サプリメントの身近な相談者の確保を図りたい。また、健康食品事業者にとっても、社員が近くの会場で受験でき、社員教育の一環としても利用しやすくなるなど、今後活用の機会が増えることを期待したい」とする。
今年度の試験日は11月22~30日で、試験方法は択一式CBT(テストセンター)方式の学科試験。会場は全国47都道府県300カ所以上のテストセンターから選択する(詳細は受験要項で確認)。受験料1万5300円で、ウェブ出願申請期間は9月15~30日まで。合格発表は12月24日午前10時(協会ホームページ、会員マイページ上で)
受験資格は、受験する年の4月1日時点で18歳以上で、同講座受講申し込み済みであることとなっている。認定試験の詳細は協会ホームページを参照、問い合わせはメール(support@jcna.jp)で。
日本臨床栄養協会/NR・サプリメントアドバイザー
https://www.jcna.jp/supple/