SaMD(プログラム医療機器)は医師の診療を受けるよりも有効ではないか――――10月11日、岩手県盛岡市で開かれた日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会第19回学術大会のOTC分科会シンポジウムの中で、健康保険組合連合会参与の幸野庄司氏はこのような趣旨の発言を行った。生活習慣病をOTC薬で自己管理した場合に安全性や有効性の面で問題がないか実証実験をやってみるべきだという流れの中での発言。
幸野氏は、国民皆保険を維持するために負担給付改革、医療提供改革、医療のかかり方改革が必要であり、中でも医療のかかり方に関係する「生活習慣病の疾病管理のあり方を変えていくべきだということ。これが今日私が一番言いたいこと」述べた。
そのうえで、OTC類似薬の保険適用除外や生活習慣病のOTC薬による自己管理について、「ある関係団体はこういう話が出てくるとすぐ、重症化を見逃すリスクがあるというけど、本当にそうなのか。こう言われると(国の審議会などで)全く反論できない状態になるので、それが本当かどうか実証してみる必要がある」と述べた。また、「生活習慣病は自己管理できないのか。生活習慣病のOTC薬管理の安全性、有効性を分析検証するため、厚生労働省の厚生労働科学特別研究事業でやってみてはどうか。これでエビデンスを作って、医師会が言っている重症化リスクがあるということを、本当にそうなのか確かめてみてはどうか」と続けた。
対象疾患は、日本で患者が多いこと、血を取らずに簡単に計れることなどから、高血圧症を提案している。幸野氏によると、我が国の高血圧疾患患者は4000数百万人で、このうち治療を受けてる人が1600万人、その年間医療費は1.7兆円になるという。事業には、行政、製薬会社、病院、薬局、保険者、患者、医療機器メーカーが参加してほしいとし、その流れで続いて「医療機器メーカーは、SAMD(プログラム医療機器)とかいろいろ開発を進めているが、これは医者に取って代われるんじゃないかと思う。30分、1時間待って3分の診療を受けるよりもよほど有効ではないか、ということを私は声を大にして言いたい」と述べた。
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