病理のトータルソリューションプロバイダーであるサクラファインテックジャパンは29日、病理標本の作製に用いる全自動包埋装置「ティシュー・テック オートテック a120」を日本国内で発売する。
同製品は、病理標本作製における「包埋」の工程を連続自動処理できる装置。包埋は、組織検体を薄く切る工程(薄切)の準備として、組織をパラフィン中に埋め固めてブロックを作る工程。
これまで包埋作業は、一つひとつのブロックを手作業で作る必要があった。同製品では、この包埋作業を自動化することにより、1時間あたり最大120ブロックを作製することが可能となっている。また、カセットの周りに付着したパラフィンを落とす「バリ取り」と呼ばれる作業も不要となり、作業負担がさらに軽減されている。連続自動処理による作業効率化に加え、安定した品質のブロックを作製することができる。
同製品は、検体を固定することのできる「ティシュー・テック パラフォーム セクショナブルカセットシステム」と組み合わせて使用することで、検体紛失のリスク低減にもつなげることができる。
同製品は、欧米やアジアで先行して販売されており、導入した医療機関や研究施設では、自動化による標準化およびワークフローの改善において高い評価を得ている。今回、国内販売の開始によって、日本の病理診断の現場における業務効率の向上、診断の質のさらなる向上が期待できる。同社は今後、全国の主要病院・検査センターへの導入拡大を目指していく。
など同製品は29~30日、広島市の広島国際会議場・広島市文化交流会館で開催される「第64回日本臨床細胞学会秋期大会」での展示を予定している。














