第51回日本香粧品学会学術大会2日目の26日、「シンポジウムⅡ香粧品開発のSecond Stage2」が行われ、日本化粧品工業会の畑尾正人氏が「化粧品産業の今とこれから~世界の中の日本~」と題して講演した。畑尾氏は、日本はPIFによって製品の安全性を外部に示す仕組みを整え、動物実験なしで医薬部外品の新規成分を開発できるようにすることが必要だと強調した。
PIF(製品情報ファイル)は、自社製品の安全性等を証明するための重要な説明資料で、EU等の化粧品規制を支える柱の一つだ。この中のCPSR(Cosmetic Product Safety Report)は、安全性評価の能力を持つセーフティアセッサーが責任を持って準備する重要な文書となる。EUでPIFが必要になった背景としては、異なる国家間、文化間における、共通ルールによる製品の安全性等の証明ということがある。
しかし、日本では、企業が真面目に原料の品質や製造工程、安全性を確認しているが、それを外部に示す仕組みが整っていない。畑尾氏は、「問題は、日本の製品が危険だという話ではなく、安全であることを示す仕組みができていないこと」だと指摘した。
また、畑尾氏は、「J-Beautyを長く牽引してきたのは、ハイエンドの医薬部外品が持っていた高い有用性と安全性」だと強調した。
しかし、EU主導の動物実験禁止の影響が実質的に化粧品だけでなく医薬部外品にも及び、新規素材を用いた医薬部外品のイノベーションを強く制限してきたと述べた。このため、特に日本では、ここ10年ほどまったく新しい素材の開発が進んでいないと危機感を示した。
さらに、化粧品規制の国際会議等で話し合われている、従来の動物実験依存から脱却したNGRA(Next Generation Risk Assessment)という新しい安全性評価の考え方について、「今までの動物実験代替法とは一線を画すものになる」とした上で、「NGRAがイノベーションになるかどうかはこれからの議論次第だ」と述べた。
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