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【医薬品・医療機器等安全性情報No.263】インスリン製剤による発癌‐関連性は明らかでないと判断

2009年11月30日 (月)

 厚生労働省医薬食品局は「医薬品・医療機器等安全性情報No.263」を公表し、インスリン製剤と悪性腫瘍のリスクとの関連性に関する注意喚起が、現段階では不要だと医薬品・医療機器総合機構(PMDA)が結論付けたことや、最近指導した添付文書の改訂内容を紹介し、医薬品等の適正使用を周知した。

 ヒトインスリンやインスリンアナログについては、非臨床試験で細胞増殖活性や乳腺腫の発現が認められたが、安全性への影響が低いため、特段の注意喚起を行ってこなかった。しかし、欧米審査当局や日本糖尿病学会は、インスリンアナログ製剤「インスリングラルギン」の悪性腫瘍リスクに慎重な見方を示していた。

 そこで、PMDAが文献等を改めて調査したが、インスリングラルギンを含むインスリン製剤と悪性腫瘍のリスク増大との関連性は明らかでなかったため、新たな安全対策の必要はないと判断した。ただし、今後も報告を注視し、対応を検討することとしている。

 このほか、安全性情報では、添付文書の改訂を指導した医薬品のうち、次の8件について、重要な副作用等の情報を紹介している。(1)イベルメクチン(2)エベロリムス、グスペリムス塩酸塩、シクロスポリン、タクロリムス水和物、バシリキシマブ、ミコフェノール酸モフェチル、ムロモナブ―CD3(3)シプロフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン(4)ソニチニブリンゴ酸塩(5)ソラフェニブトシル酸塩(6)テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(7)ベバシズマブ(遺伝子組換え)(8)ロスバスタチンカルシウム。

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