TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

調剤現場のGE薬対応に変化‐患者要望に考慮

2009年12月24日 (木)

 沢井製薬は、ジェネリック医薬品(GE薬)に対する患者や病院・保険薬局薬剤師の意識について調査し、結果をまとめた。それによると、GE薬の処方調剤を望む患者は91・5%と高い水準を維持しており、医師や薬剤師からGE薬を勧められた経験を持つ患者も、5人に1人と増加していた。一方、薬剤師サイドも、負担額が大きく変わる場合には、GE薬を勧める」割合が微増しており、少し意識変化が起きていることが分かった。ただ、GE薬への変更可能な処方せんへの対応については、「患者から尋ねられたら説明し選んでもらう」が半数弱を占め、受動的な姿勢に大きな変化はなかった。

 調査は10月16、17の2日間、インターネットを介して実施された。対象とされたのは全国の薬剤師300人と、過去3カ月以内に処方・調剤を受けた患者400人。昨年も同様の調査を行っており、その結果とも比較された。

 調査によると、薬剤師の意識では、GE薬への変更が可能な処方せんを応需した際の対応として、「患者から尋ねられたら説明し選んでもらう」が44・7%(前回47・7%)と大きな変化はなかった。ただ、「変更することで負担額が大きく減るものはGE薬を勧める」が27・7%(前回22%)と微増。また、「何もせず、これまで通りの薬を調剤する」が17・7%(前回25・7%)と減少し、調剤現場でのGE薬対応に変化が見られている。

 変化は特に、病院・診療所で顕著で、「GE薬を積極的に活用しない」が減少し、「患者の判断に任せる」ケースが前回の17・9%から32・6%へと、14・7ポイント高くなった。それに呼応して、病院・診療所でのGE薬採用率も上昇している。

 そうした背景になっているのが患者からの要望で、「患者から処方依頼された経験」がある割合が82・0%と、前回から6・3ポイントアップしている。特に病院・診療所ではその割合が高まっている。

 また、「GE薬を今後もっと普及すべき」と考える薬剤師は全体の58・3%を占めた。その理由としては、「国の医療費節減のため」(75・4%)、「患者の自己負担額軽減のため」(72・6%)が多かった。

 今後、GE薬普及に向けて必要なこととしては、「安定供給」(52・7%)、「地域連携体制」(52・7%)、「品質向上」(48・3%)がトップスリーを占めた。これまで、GE薬採用時に重視する点として、「情報供給体制」が上位に挙げられていたが、その体制が整いつつあるのを反映してか、重要視する割合は減ってきている。

患者認知度は98%強

 一方、一般患者の意識では、「ジェネリック医薬品」の名称認知度は98・5%、内容認知率は72%と浸透していることが認められている。また、医師や薬剤師に処方や調剤を勧められた経験があるという患者も21%(前回17・5%)と増加傾向にあることが分かった。

 GE薬自体の認知経路としては、「テレビ」が86・8%(前回89・2%)と依然高いものの、「病院・薬局のポスター」が48・2%(前回33・5%)と大きく上昇し、「医師」や「薬剤師」からもアップした。また、処方せん様式変更の認知は「薬剤師から」が38・6%(前回26・8%)、「医師から」が24・1%(前回8・5%)と医療機関を通じた認知が向上している。

 ただ、医師や薬剤師に「処方・調剤を依頼」したは21・3%で、実際に「調剤してもらった」も13・5%で、前回とほぼ変わらず、患者の自発的な行動は横ばいだった。GE薬調剤を望まない理由としては、「特に何も言われないから」がトップで45・7%。次いで「自分の疾患に対応したGE薬があるか分からない」が続いている。

 また、「今後、GE薬を選びたいか」では、62・5%が選びたいとした。特に男性の40~50代、女性の30~50代でスコアが高かった。

 調査結果の詳細は、同社ホームページ(http://www.sawai.co.jp/)で公開されている。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術