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意義大きい「新販売制度」覆面調査

2010年6月25日 (金)

 昨年6月からスタートした医薬品の新販売制度。今月で丸1年が経過するが、第1類薬の売上が思うように伸びないなど、小売・メーカー双方にとって悩ましい問題もなくはない。こうした中で、厚生労働省が先週発表した新制度の定着状況調査結果は、いわゆる覆面調査で行われたこともあり、予想以上に“不備”な部分も明らかになった(概要を4~5ページに掲載)

 調査は今年1月から3月にかけ、全国の薬局・薬店の中から3991店舗(薬局1947店舗、薬店2044店舗)を調査したもの。対象店舗が特定カ所に集中せず、店舗規模も偏らないよう、立地環境なども勘案して行われ、委託された民間会社の調査員が一般消費者の目線で、店内の状況や従事者の対応などを調べた。

 チェーン展開している店舗(チェーン店)と、それ以外の店舗(独立店)で、明らかに違いが認められた点が、いくつか見られた。まず第1類薬の取り扱いだが、チェーン店は78・8%で、独立店より20ポイント以上高かった。第1類薬を取り扱う店舗のうち、リスク別陳列が不明瞭だった店舗は、独立店が18・6%と、チェーン店の4・6%を上回った。これは第1類薬の取り扱いがない店舗でも、同様の傾向だった。

 店舗の従事者の名札に関しては、全体の28・1%の店舗は「従事者全員が名札をつけていなかった」が、これに関しては独立店が52・4%、チェーン店が1・8%と、その差は歴然である。

 このほか、第1類薬を取り扱う店舗で、第1類薬の情報提供に関する解説の掲示が確認できた店舗は、独立店が21・1%に対し、チェーン店は69・2%と、開きが大きい。

 小売薬業界に大きな環境変化をもたらした新販売制度の施行は、製配販の緊密な連携によって、当初懸念された返品は予想より大幅に少なく、大きな混乱もなくスタートした感がある。しかし、施行後しばらくは第1類薬の売上が二桁減少する事態も起こり、現在は回復基調にあるという。

 この理由としては、第1類薬取扱店の減少、販売時間の減少、消費者が商品を手に取って購入できないなど、販売側・消費者の双方が、新たな販売方法に慣れていないことが大きな原因ともいわれる。新制度の定着には、もう少し時間がかかると思われるが、ともかく製配販の関係諸団体がより連携を強化し、情報提供の充実に努めてもらうことを願いたい。

 調査は、改正薬事法が実際の販売現場でどの程度、定着しているかを確認することが目的で、不備な部分を直ちに指導したわけでなはい。しかし、改正薬事法の遵守率の低さが随所に示されたことから、厚労省では各自治体を通して薬局の薬事監視や指導を、徹底していく方針という。

 ただ、調査の中で「区分が曖昧」という部分は、医薬品が従事者やカウンターの後方などに陳列されていたため、陳列状況が確認できなかった場合も含んでおり、専門の監視指導員の視点でないことも考慮する必要があろう。こうした点も踏まえ、今回の調査結果は、自らの店舗を今一度見直す機会、新販売制度の遵守徹底ということを、改めて実行する機会であるのは間違いない。




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