薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は7月30日、グラクソ・スミスクライン(GSK)のアレルギー性疾患治療薬「ザイザル」、田辺三菱製薬の口腔粘膜吸収型オピオイド鎮痛剤「アクレフ」、大塚製薬の利尿薬「サムスカ」など7品目を審議し、承認を了承した。いずれも、9月に開かれる予定の分科会に報告され、10月にも正式承認される見通し。
▽ザイザル錠5mg(GSKが製造販売):有効成分はレボセチリジン塩酸塩。効能・効果は、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症。既存薬である「ジルテック」の光学異性体で、半分の量で効果を発揮する。再審査期間は8年。原体が劇薬に指定される予定。海外89カ国で承認されている。
▽アクレフ口腔粘膜吸収剤200μg、同400μg、同600μg、同800μg(田辺三菱が製造販売):有効成分はフェンタニルクエン酸塩。効能・効果は、強力オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛。
口腔内の粘膜に塗る新投与経路医薬品で、口腔内の粘膜から速やかに吸収させることで、突発性の癌疼痛に対して鎮痛効果を発揮する。再審査期間は6年。原体は毒薬に指定済みで、製剤が劇薬に指定される予定。海外23カ国で承認されている。
▽ネバナック懸濁性点眼液0・1%(日本アルコンが製造販売):有効成分はネパフェナク。効能・効果は、内眼部手術における術後炎症。既存薬にジクロフェナクナトリウムなどの、非ステロイド性抗炎症点眼薬などがある。再審査期間は8年。原体が劇薬に指定される予定。海外73カ国で承認されている。
▽サムスカ錠15mg(大塚製薬が製造販売):有効成分はトルバプタン。効能・効果は、ループ利尿薬などの他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留。バソプレシンV2-受容体拮抗剤で、電解質排泄の増加を伴わず過剰な水分のみを排泄する。再審査期間は8年。原体・製剤とも劇薬に指定される予定。海外31カ国で承認されている。
▽ボトックス注用50単位、同100単位(GSKが製造販売):有効成分は、A型ボツリヌス毒素。上肢痙縮および下肢痙縮の効能・効果を追加した。
同剤はこれまで、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣などに用いられてきたが、今回の効能追加により対象患者の増加と共に、使用する医師も大幅に増えることが予想されるため、▽十分な知識を持った医師の下で使用すること▽廃棄が安全・確実に行われるよう、廃棄を薬剤部に依頼する――などの承認条件が付された。再審査期間は4年。今回の効能で海外72カ国で承認されている。
▽ジプレキサ錠2・5mg、同錠5mg、同錠10mg、同細粒1%、ジプレキサザイディス錠5mg、同錠10mg(日本イーライリリーが製造販売):有効成分はオランザピン。双極性障害における躁症状の改善の効能・効果を追加した。再審査期間は4年。今回の効能で海外98カ国で承認されている。
▽ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0・8mL(アボットジャパンが製造販売):有効成分は、アダリムマブ(遺伝子組み換え)で、中等症または重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)の効能・効果を追加した。再審査期間は2016年4月15日まで。今回の効能で海外72カ国で承認されている。なお、承認条件として全例調査が付された。