昨年6月からOTC医薬品の新販売制度が始まった。一般の人たちを対象とした各種アンケートからは、制度の内容は概ね理解されている様子がうかがえるが、本来の意義や目的など、必ずしも十分に理解されているとは言い難い。生活者がより安全にOTC医薬品を使用できるよう、関係団体・企業には今まで以上に、情報提供の推進に取り組んでもらいたい。
こうした中、『よく知って、正しく使おうOTC医薬品』と題したOTC医薬品の普及啓発イベントが、きょうと明日の2日間、東京新宿駅の西口広場イベントコーナーで開かれる。主催は日本OTC医薬品協会、東京生薬協会、東京薬事協会、東京都家庭薬工業協同組合、東京都薬剤師会、東京都医薬品登録販売者協会の6団体(厚生労働省、東京都の後援)で、昨年を上回る31企業が参加・出展する。
イベントの主な目的は「セルフメディケーションに果たすOTC医薬品の役割、OTC医薬品の正しい知識や使い方などの普及啓発」だが、昨年6月から施行された改正薬事法の周知も、この中では展開していく。
各団体のメンバーで構成するイベント実行委員会では、「関係団体の共催で、こうしたOTC医薬品の振興に向けた活動を、誠実かつ地道に進めることが、新制度の定着・確立には欠かせない」として、入念に準備を進めてきた。
このOTC医薬品の普及啓発イベントは、2008年10月から始まっており、今回が3回目となる。きっかけとなったのは、07年の10月の「薬と健康の週間」に合わせ、家庭薬業界が「セルフメディケーションと家庭薬」をテーマに、都民向けの普及啓発イベントを、東京都の薬用植物園で開催したこと。この時は東京薬事協会、東京都家庭薬工業協同組合、東京生薬協会の共催で行われた。
08年は、新販売制度の施行も迫ったことから、東京都薬剤師会、東京都薬種商協会(当時)を加えた在京薬業5団体が一体となって、東京新宿に会場を移し、OTC医薬品の適正使用を啓発するイベントに拡大させた。
そして昨年からは、厚労省の後援事業となり、日本OTC医薬品協会も主催団体に加わり、計6団体の共催となって今回に至っている。
今年の主な内容は、出展社が各ブースで製品PRに努めるほか、模擬薬店コーナーでは実際に薬剤師・登録販売者が薬の情報提供を行い、新制度の周知を図る。薬相談コーナーでは、薬に対する日ごろの疑問などを薬剤師に気軽に相談できる。
このほか、ネットで薬が検索できるコーナー、主催者コーナー(薬に関する紙芝居や、お取り寄せ相談薬局)、ハンドマッサージコーナー、クイズラリーなどの企画が展開される。
昨年、来場者のうち約1000人にアンケートを行ったが、回を重ねるごとにセルフメディケーションに対する意識は徐々に高まっている。今年は様々な角度から、同じく来場者1000人を対象に、より深い角度で意識調査を行っていくそうで、その集計結果が待たれる。
ともかくは、関係者の努力により第3回を迎えるイベントが、盛況裡に開催されることを願いたい。