TOP > 社説 ∨ 

OTC薬の普及促進に薬業界の結束を

2010年09月10日 (金)

 昨年6月からOTC医薬品の新販売制度が始まった。一般の人たちを対象とした各種アンケートからは、制度の内容は概ね理解されている様子がうかがえるが、本来の意義や目的など、必ずしも十分に理解されているとは言い難い。生活者がより安全にOTC医薬品を使用できるよう、関係団体・企業には今まで以上に、情報提供の推進に取り組んでもらいたい。

 こうした中、『よく知って、正しく使おうOTC医薬品』と題したOTC医薬品の普及啓発イベントが、きょうと明日の2日間、東京新宿駅の西口広場イベントコーナーで開かれる。主催は日本OTC医薬品協会、東京生薬協会、東京薬事協会、東京都家庭薬工業協同組合、東京都薬剤師会、東京都医薬品登録販売者協会の6団体(厚生労働省、東京都の後援)で、昨年を上回る31企業が参加・出展する。

 イベントの主な目的は「セルフメディケーションに果たすOTC医薬品の役割、OTC医薬品の正しい知識や使い方などの普及啓発」だが、昨年6月から施行された改正薬事法の周知も、この中では展開していく。

 各団体のメンバーで構成するイベント実行委員会では、「関係団体の共催で、こうしたOTC医薬品の振興に向けた活動を、誠実かつ地道に進めることが、新制度の定着・確立には欠かせない」として、入念に準備を進めてきた。

 このOTC医薬品の普及啓発イベントは、2008年10月から始まっており、今回が3回目となる。きっかけとなったのは、07年の10月の「薬と健康の週間」に合わせ、家庭薬業界が「セルフメディケーションと家庭薬」をテーマに、都民向けの普及啓発イベントを、東京都の薬用植物園で開催したこと。この時は東京薬事協会、東京都家庭薬工業協同組合、東京生薬協会の共催で行われた。

 08年は、新販売制度の施行も迫ったことから、東京都薬剤師会、東京都薬種商協会(当時)を加えた在京薬業5団体が一体となって、東京新宿に会場を移し、OTC医薬品の適正使用を啓発するイベントに拡大させた。

 そして昨年からは、厚労省の後援事業となり、日本OTC医薬品協会も主催団体に加わり、計6団体の共催となって今回に至っている。

 今年の主な内容は、出展社が各ブースで製品PRに努めるほか、模擬薬店コーナーでは実際に薬剤師・登録販売者が薬の情報提供を行い、新制度の周知を図る。薬相談コーナーでは、薬に対する日ごろの疑問などを薬剤師に気軽に相談できる。

 このほか、ネットで薬が検索できるコーナー、主催者コーナー(薬に関する紙芝居や、お取り寄せ相談薬局)、ハンドマッサージコーナー、クイズラリーなどの企画が展開される。

 昨年、来場者のうち約1000人にアンケートを行ったが、回を重ねるごとにセルフメディケーションに対する意識は徐々に高まっている。今年は様々な角度から、同じく来場者1000人を対象に、より深い角度で意識調査を行っていくそうで、その集計結果が待たれる。

 ともかくは、関係者の努力により第3回を迎えるイベントが、盛況裡に開催されることを願いたい。



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術