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正念場の時、“覚悟”で挑む年に

2011年1月7日 (金)

 2011年を迎えた。今年は明るく、先行きに一筋の光を求め、かすかながらも希望を持って着実に歩んでいきたいと儚い希望を抱いているが、どうも年末の政局のゴタゴタや来年度予算案、参院の与党過半数割れの“ねじれ”の中での予算案審議などを考えると、何とも先行き不透明で、将来への不安感を抱えながらの年越しとなった。

 政府の11年度予算案の一般会計は、今年度当初予算より若干少ない92兆4000億円。このうち、新規国債発行は、過去最悪だった今年度並みの44兆3000億円ほど。税収は41兆円弱で、借金体質から抜け出せないでいる。

 日本経済は、世界経済の余波を受けデフレにあえぎ、経済成長率も低く、景気や物価などを勘案すると、急激な緊縮財政とするのは困難な状況は分かる。しかし、子ども手当の継続・拡大、高校授業の無料化継続、農家の個別所得補償の拡大などを見ると、民主マニフェストを抜け出せず、政権が右往左往している状況が見て取れる。

 さらに、社会保障改革では、高齢者医療や介護保険など、高齢者等の負担増を伴う改正が、いずれも先送りされる状況だ。今年の統一選挙を前に、負担増議論にフタをするといった、“政治主導”というよりも、“政治屋主導”が際だっているようにも映ってしまう。

 こうした不安を抱えながらも、今年を見てみると、診療報酬、介護報酬の同時改定の議論が本格化する。

 年末に発表された介護報酬の基本となる介護保険制度改革関連法案を見ると、所得の高い高齢者の利用者負担引き上げや、居宅介護支援・介護予防支援のケアプラン作成への利用者負担導入は、次期通常国会への法案提出までに関係者の合意が得られないと判断し、見送られることが決まった。現行は加入者数によって各保険者の負担金が決まっている40~64歳の第2号保険料を、総所得に応じて配分する仕組みに移行させることも断念するなど、各種の負担増はない方向だ。

 改正法案のポイントは、「地域包括ケアシステム」の実現を目指し、日常生活圏域ごとに地域ニーズを的確に把握した事業計画の策定、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスや複合型サービスの創設などを盛り込んだこと。そこには、医療と介護の連携強化が謳われている。薬剤師が、介護の分野とどうかかわってきたのかが問われることもあるかもしれない。

 一方、診療報酬では、10年度改定の答申書の付帯意見の中に「薬剤師の病棟配置の評価を含め、チーム医療に関する評価について、検討を行うこと」が盛り込まれている。各種の専門・認定薬剤師制度が動き、また検討されている中にあって、これらがどう機能し、どう評価されているのかを、エビデンスをもって証明することが求められる。まさに、病院薬剤師にとっては正念場となるだろう。

 調剤報酬では、行政刷新会議規制・制度改革分科会で、“調剤基本料の一元化”が 取り上げられた。薬局経営にも直結する問題で、これも目が離せない。

 これ以外にも、ネット販売の新ルール検討も分科会の俎上に載った。「対面販売の原則」の下、生活者の薬の適正使用、安全確保のためという改正薬事法の趣旨をどこまで守り通すことができるのか。昨年の覆面調査結果を受けたその後の対応が、明暗を分けることになるかもしれない。 “不安”という世相にはあるが、薬剤師をめぐる各種課題への取り組みは正念場を迎えており、“覚悟”をもって取り組む年になるかもしれない。




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